下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

【動画配信】横浜ダンスコレクション2021 アラン・プラテル『nicht schlafen』

【動画配信】横浜ダンスコレクション2021 アラン・プラテル『nicht schlafen』


nicht schlafen: behind the scenes


Nicht schlafen (sin dormirse), les ballets C de la B

De Biechtstoel #51 - Nicht Schlafen (Les ballets C de la B/Alain Platel)

17:30~『nicht schlafen』(2016) [上映時間:1時間50分]
カタストロフィの先に一条の希望を見出そうとする大作。作曲家グスタフ・マーラー交響曲を創作の出発点に、激動と混乱の時代であった19世紀末から20世紀初頭と現代とを重ね合わせ、男性/女性、黒人/白人、ユダヤ人/アラブ人、ダンサー/歌手といったアイデンティティの違いを超えた、集団としての人間のありようを描き出す。ぶつかり合い支え合い、刻一刻と変化する関係性。3頭の死馬が横たわる荒涼とした大地で、ダンスが体現するのは生への渇望と失われた調和への憧れか。舞台装置は現代美術家のベルリン・デ・ブリュッケレ。
11 :00~『Coup Fatal 』(2014) [上映時間:1時間55分]
13 :30~『Before the last curtain falls』(2014) [上映時間:1時間30分]
15:30~『Out of Context – for Pina』(2010) [上映時間:1時間40分]
17:30~『nicht schlafen』(2016) [上映時間:1時間50分]

アラン・プラテル
1956年ベルギー、ゲント生まれ。1984年に les ballets C de la Bを創設。「Emma」(1988年)は、プラテルが演出に徹する始まりとなった作品であり、「Bonjour Madame」(1993年)以降、[La Tristeza Complice」(1995年)、「バッハと憂き世 Iets op Bach」(1998年)等の作品により、世界をリードする存在となる。

声を遊ぶもくろみ『鮭スペアレ版・リチャード三世』試演会(国際舞台芸術ミーティングin横浜2021 TPAMフリンジ参加作品)

声を遊ぶもくろみ『鮭スペアレ版・リチャード三世』試演会(国際舞台芸術ミーティングin横浜2021 TPAMフリンジ参加作品)


鮭スペアレ版・リチャード三世 声を遊ぶもくろみ試演会
 鮭スペアレはシェイクスピアを上演する女性だけの劇団。2018年12月に初めて公演を見て*1以来、毎年その舞台を見てきた。最近の若手劇団としては珍しく、自分たち独自のスタイルでの「語りの演劇」の確立を目標としているようで、直接習ったり師事したりしたことはないものの「SCOTの鈴木忠志やSPACの宮城聡に影響を受けている」(中込遊里)という主宰の言葉から注目はしてきたが、最初に見たときには「語りの技術」自体が集団としては未成熟なのは歴然として、そうした意欲は買いたいけれど、はたして実現までの長い道のりを集団の維持が可能なのかどうかとの疑問も感じざるを得なかった。
 昨年見た「リア王」で能舞台での上演を試みたところで、能の語りを上演の形式に取り入れることを試み始めたようだったが、昨年の段階*2ではまだこれからと感じたのも確かであった。今回は再び能舞台で上演する本公演(4/17~18・銕仙会能楽研修所)に向けての試演会的な性格の公演だったようだが、予想した以上に語りの部分については能の様式をうまく取り入れていて以前は感じていた稚拙さはなくなって熟成されていることに驚いた。
 ただ、上演全体としてはまだ大きな課題を抱えているとも同時に感じた。今回の「リチャード三世」の公演はちょうどSPACの宮城聡の演出を想起させるかのように「語り=ウタイ」と「動き=マイ」を担当するパフォーマーが分かれているのだが、先ほど述べたように語りの部分の完成度がかなり上がっているのに対して、マイの部分にはそうした練度がまだまだ感じられないのだ。今回の公演に向けてはまず語りの部分の完成が先行されていて、動きの方はまだまだ練習不足というような事情ももしかしたらあるのかもしれないが、語りが「こういう方向性のスタイル」(つまり、能の謡をなぞる)がかなり明確になってきているのに対して、動きについての方法論がまだまだ不確定に見えてしまう。
印象から言えばかなり動きすぎているために語りとの調和があまりよくない印象があるのだ。この部分は明確に課題ではあるが、パフォーマーの力量は毎年上がっており、以前は「あれもこれも課題といえば課題」だったのが、今後取り組んでいくべき方向性がはっきりしてきたのは格段の進歩だと思う。とはいえ、これは能ではないから動きを能のようなものにすればいいというものではないと思うし、ここは女性が演じることの意味が出やすい部分なのでそれほど簡単なことではないはずだ。いずれにせよ、ぜひ4月の公演は見てみたい。



作:ウィリアム・シェイクスピア 翻訳:坪内逍遥
構成:宮川麻理子 演出:中込遊里

2021年2月14日(日)開演15:00​ 上演時間30分 
CHABOHIBA HALL 
東京都立川市幸町4-17-1

第一幕第一場 リチャードがおのれの境遇を語り、芝居を仕組む段
ACTⅠ SCENEⅠ Richard talks his circumstances and plots the play.
ウタイ:中込遊里  マイ:上埜すみれ・宮﨑悠理・箕浦妃紗・水上亜弓・清水いつ鹿




第一幕第二場 リチャードが、その父と夫を殺した寡婦であるところのアンを口説き落とす段
ACTⅠ SCENEⅡ Richard skillfully persuades Lady Anne whose father-in-law and husband were killed by Richard.
リチャードウタイ:水上亜弓 アンウタイ:宮﨑悠理 ウタイ:上埜すみれ・清水いつ鹿  マイ:箕浦妃紗




第一幕第三場 リチャードが妃エリザベスらに悪態をつき、先の王妃マーガレットが呪いの言葉を吐く段
ACTⅠ SCENEⅢ Richard abuses Queen Elizabeth and her followers, and ex-Queen Margaret utters a curse against them.
リチャードウタイ:上埜すみれ マーガレットウタイ:清水いつ鹿 リチャードマイ:宮﨑悠理 マーガレットマイ:水上亜弓 ウタイ:箕浦妃紗




第一幕第四場 リチャードが、殺し屋を差し向けて兄のクラレンスを殺す段
ACTⅠ SCENEⅣ Richard sends murders to kill his brother Clarence.
クラレンス:上埜すみれ・宮﨑悠理・箕浦妃紗・水上亜弓・清水いつ鹿  人殺し係甲:宮川麻理子 人殺し係乙:中込遊里








【ご挨拶】         
声を遊ぶもくろみ「鮭スペアレ版・リチャード三世」試演会にご来場いただき誠にありがとうございます。

「言葉」が運命を動かすと一般に信じられている時代がありました。15世紀ヨーロッパが舞台である、グロースター公・リチャード三世の悲劇も「呪いの言葉」から始まります。「鮭スペアレ版・リチャード三世」では「言葉/言霊」に着目し、「言霊が宿った俳優たちがリチャード三世の悲劇を物語る」という形式を用いることで、言葉の持つ力を探ります。

また、クリエイティブな感染症対策として、「一つの役を複数人が演じる=稽古や公演時やむ負えず欠席者が出た時の上演中止のリスクを減らす」「短い場を集めて構成する」「録音での演奏」という演出に挑戦しました。演目の名シーンを抜粋して上演する歌舞伎の「見取り狂言」に着想を得て、「リチャード三世」の種々のシーンを構成しています。一場ごとに別の趣として味わっていただければ幸いです。

本日は、本公演(4/17~18・銕仙会能楽研修所)のプレ公演です。本公演で上演される場のうち4割ほどの場を上演します。試作段階ですが、どうかご忌憚のないご感想をいただけると幸いです。また、戯曲全体を味わっていただくために、「リチャード三世」坪内逍遥訳の全文朗読、劇団員による創作裏話を無料アプリで配信中です。併せてお楽しみください。
中込遊里




【出演】
清水いつ鹿、上埜すみれ、水上亜弓、宮川麻理子、中込遊里(以上鮭スペアレ)
宮﨑悠理、箕浦妃紗
楽器演奏:五十部裕明(パーカッションほか)、中條日菜子(バイオリン)、酒井将義(尺八)




【スタッフ】
作:ウィリアム・シェイクスピア 翻訳:坪内逍遥
演出:中込遊里 ドラマトゥルク・構成:宮川麻理子 音楽監修・音響:五十部裕明
能楽指導:一瀬唯 演出助手:時田光洋 衣装:田中麻里 広報:上埜すみれ・葵 
動画撮影および配信:山縣昌雄・岩倉具輝・山縣幸雄・伊藤就 写真撮影:bozzo 制作:片ひとみ

映画「ガメラ2 レギオン襲来」@有楽町ピカデリー

映画「ガメラ2 レギオン襲来」@有楽町ピカデリー

私は怪獣映画が大好きで、中でも「ゴジラ」と「ガメラ」については物心のついたころからすべての作品を封切り時にリアルタイムで映画館で見ている。特に好きなのが金子修介監督による平成ガメラシリーズ三部作で、その中でも最高傑作がこの「ガメラ2 レギオン襲来」だと思っている。このほど、ガメラ生誕55周年記念プロジェクトの一環として制作された 4K HDR 版が全国7館の Dolby Cinema(ドルビーシネマ)で期間限定上映されることになり、有楽町ピカデリーにで掛けてきた。公開当時いろんな意味で大興奮した作品とはいえ、1996年と25年も前の作品。その後のCGの技術革新などによりSFXや特撮技術が大幅に進歩していることにより「シンゴジラ」やハリウッド版「ゴジラ」シリーズに比べて、今見ると見劣りするかもとの危惧も見る前には若干あったのだが、そんなことは全然なく、逆に映画館の大画面でしかもドルビーシステムで見るとこれほど大迫力で古びない魅力があるのかと嬉しくなった。
 ハリウッド版「ゴジラ」などを見てSFXの迫力は怪獣映画として素晴らしいが、人間ドラマとしてはいまひとつではないかと感じていたのだが、この「ガメラ2 レギオン襲来」はそこの部分がよく描かれていて、素晴らしいと思う。ゴジラシリーズの方ではあるが庵野秀明監督の「シン・ゴジラ」は確実に平成ガメラシリーズのそれを受け継いでいて、そこがよかったのだと再認識した。
 怪獣映画ではあるが、従来のそれとの違いは自衛隊がリアルに描かれていることで、第一作の「ガメラ 大怪獣空中決戦」のように日本政府が直接描かれることはないが、最後には自衛隊、民間人(NTTの職員役の吹越満がかっこいい)、ガメラが共同戦線を張って外来の宇宙生物であるレギオンと戦うという展開が胸熱なのである。最後にどんな場所でもミニスカートをはき続けている水野美紀に時代を感じるのだが、そんなことは途中でどうでもよくなるくらい、今見ても彼女はカワイイ。一介の民間人なのに自衛隊に帯同し続けているのはおかしいともいえるが、単に男性の手で守られているだけではなく、ちゃんとレギオンの正体についてアイデアをだすなど物語の中にキレイどころとして存在しているだけではない活躍をしているのが作品のクオリティーを高めていると思う。


映画『ガメラ2 レギオン襲来』予告編

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TPAM2021 フリンジ「若手振付家オンラインショーケース+トーク」@配信

TPAM2021 フリンジ「若手振付家オンラインショーケース+トーク」@配信

18:00 - 21:00 TPAM Fringe [若手振付家オンラインショーケース +トーク]
Species -種-
井田亜彩実 ●
18:00 - 21:00 TPAM Fringe [若手振付家オンラインショーケース +トーク]
UMU -うむ- future edit.
北尾亘 ●
18:00 - 21:00 TPAM Fringe [若手振付家オンラインショーケース +トーク]
理の行方 vol.6
中村蓉 ●
18:00 - 21:00 TPAM Fringe [若手振付家オンラインショーケース +トーク]

スッポンザル ●
18:00 - 21:00 TPAM Fringe [若手振付家オンラインショーケース +トーク]
うつをみ
中川絢音×山道弥栄
若手振付家、ダンスカンパニーによるオンラインショーケース。海外での上演を見据えた15〜30分の作品をオムニバス形式で配信。アーティストによるトークセッションも実施。

TPAM2021 fringe
"Online Dance showcase of Young choreographers + Talk"

Online showcase and Talk session by young choreographers and dance companies who want to perform overseas shows 15-30 minutes.

チェルフィッチュ×金氏徹平「消しゴム山」@配信

チェルフィッチュ×金氏徹平「消しゴム山」@配信

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配信映像
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 配信で観劇。コロナ禍のもとで感染リスクが多少ともある劇場での観劇を避けたということもあるが非常事態宣言以降配信や映像演劇に積極的に取り組んだ岡田利規の作品の生での鑑賞とは全く異なる配信での観劇体験が自宅で楽しめたといえるかもしれない。
 この作品では岡田利規は相当に奇妙な言語テキストを展開する。テキストは突然家の洗濯機が故障してしまう若い女性(安藤真理)がコインランドリーに出かけるようになるという日常的な出来事を描いた一コマから始まる。彼女はコインランドリーで洗濯機のフィルターという部品が突如壊れて外れてしまうと同じ故障事故に出会った人々と相次いで出会うという不思議な出来事に遭遇する。
 ところがその物語は突如切断されるように終わり、次のシーンでは公園に突然現れた奇妙なオブジェのようなものの詳しい形状を説明する男が現れる。そして、それが実はタイムマシーンで、それによってこの世界にやってきた未来移民たちが現在のこの世界の政府が行っている政策判断に異議を唱えることになったことが語られる。語りの内容も語りの形式も最初のシーンとは大きく変貌して視聴する側はとまどってしまうばかりなのだが、時の政府がこの未来人の干渉を認めず、さらにその存在自体を否定する政策を決定するという展開はこの作品は2019年10月KYOTO EXPERIMENTとコロナの前に初演されており、昨今のコロナ禍とは無関係だが、どうしてもこのところの政府のコロナや五輪に対する対応のことを踏まえて寓話的に描いたのではないかと思われてしまうような内容となっている。
 さらにシーンはまた変わる。今度は未来人の一人称の語りのような形で「この世界の人間が時間に縛られた人間であり、そのようなものとしてしか認識ができない存在だ」ということが語られる。つまり、現世に生きる我々は私たちが生きている実時間しか本当には認識できず原発が生み出す放射性物質の処理や増加し続ける赤字国債など手に余る難題はすべて自分たちが本当には認識できない未来へと無責任にぶん投げてしまいことで、あたかも解決したかのような気になっていることが指摘される。これはすべてモノローグで語られ、「未来人の声」のような形をとるが本当のところそれが何なのかというのはよく分からない。
 作品はこのような奇妙な構成で、最後に奇妙な存在が示現してモノローグの語りを行うことには岡田がすでに手掛けている能形式を模した現代劇との共通点も感じられるが、だからと言って「消しゴム山」もそうであると言うには憚られる程度にはこの作品世界自体は能的ではないのだ。
 

作・演出:岡田利規
セノグラフィー:金氏徹平
出演:青柳いづみ、 安藤真理、板橋優里、 原田拓哉、 矢澤誠、米川幸リオン

衣裳:藤谷香子(FAIFAI)
照明:髙田政義(RYU)
音響:中原楽(ルフトツーク)
映像:山田晋平
技術監督:鈴木康郎
舞台監督:湯山千景
演出助手:和田ながら
英語翻訳:アヤ・オガワ

プロデューサー:黄木多美子
アソシエイト・プロデューサー:田中みゆき

(東京公演)
舞台監督:川上大二郎
照明オペレーター:葭田野浩介
音響オペレーター:上島由起子
映像オペレーター:樋口勇輝

プロダクションマネージャー:水野恵美
制作・広報デスク:遠藤七海、佐藤瞳

アクセシビリティ制作
プロデューサー:兵藤茉衣
プロダクションマネージャー:和田ながら

・エクストラ音声ガイド貸出 
声:太田信吾
音響オペレーター:安藤誠英

・コネリング・スタディ
ディレクター:臼井隆志、中村茜
プロダクションマネージャー:栗田結夏

ライブ配信
ライブ配信ディレクション:DrillBros(ホンゴウタカシ+イトウユウヤ)
ライブ配信テクニカルサポート:岡本彰生(ネーアントン合同会社
機材協力:株式会社ハーツ
音響オペレーター:葛西敏彦
プロダクションマネージャー:土屋光(SCOOL)

広報:村上晴香
広報ライティング:山﨑健太
票券:谷津有佳

グラフィック:金氏徹平
宣伝美術:Werkbund
ウェブサイト制作:HAUS

企画制作:株式会社precog

製作:一般社団法人チェルフィッチュ
共同製作:

〈消しゴム山〉KYOTO EXPERIMENT、Wiener Festwochen、Festival d’Automne à Paris、Künstlerhaus Mousonturm Frankfurt

〈消しゴム森〉金沢21世紀美術館

協力:コネリングスタディ/山吹ファクトリー、急な坂スタジオ、京都市立芸術大学
京都芸術センター制作支援事業
本プロジェクトは、『消しゴム山』(初演:2019年10月KYOTO EXPERIMENT)、『消しゴム森』(初演:2020年2月金沢21世紀美術館)の両バージョンからなる。

主催:一般社団法人チェルフィッチュ、株式会社precog
共催:公益財団法人としま未来文化財団(あうるすぽっと
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
公演助成:文化庁文化芸術振興費補助金舞台芸術創造活動活性化事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会

<鑑賞サポート>
文化庁委託事業「令和2年度障害者による文化芸術活動推進事業(文化芸術による共生社会の推進を含む)」
主催:文化庁、一般社団法人チェルフィッチュ

ライブ配信
令和2年度戦略的芸術文化創造推進事業『文化芸術収益力強化事業』
バリアフリー型の動画配信プラットフォーム事業
THEATRE for ALL
主催:文化庁、株式会社precog、一般社団法人チェルフィッチュ

【関連企画】
コネリング・スタディチェルフィッチュといっしょに半透明になってみよう」ワークショップ
主催:株式会社precog 山吹ファクトリー、一般社団法人チェルフィッチュ
助成:公益財団法人セゾン文化財
独立行政法人 国立青少年教育振興機構 子どもゆめ基金

ENIGMAーHole for TPAM2021

ENIGMAーHole for TPAM2021

www.youtube.com

今回のテーマは「穴」。何かと何かを繋げる、しかし実体を持たないくぼみである「穴」。それは光や舞台装置として、ダンサーの動きに直接働きかけますが、穴に呼応する身体は、カメラという穴/映像を介してどのように届けることができるのでしょうか。



新型コロナウィルス感染拡大に伴い、「リモート」が私たちの生活様式に当たり前となり、 オンラインでの作品発表/展示の様々な試みが生まれてきています。身体や空間を「その場で」 共有できないことは、「その場かぎりの臨場感」を前提としていたパフォーマンス作品に対して、更新する必要性を突きつけます。本作では、オンラインというツールの持つ可能性に挑み、パフォーマンス作品を再構築します。

The theme this time is Hole. A hole is what connects one and another, but does not material substance. It directly affects movement of a dancer as light or stage setting. However, how can we transfer the body that reacts to the hole through a hole, a camera/video?
Due to the COVID-19, “remote” turned into the new normal as our lifestyle, and in the field of art, there have appeared many experimental and changing forms of exhibition or showing outcome somehow. The current situation that disables us to share a physical body and space “at the same place”, challenges a performance work that takes for granted and relies on the state of temporariness and presence. This work ENIGMA – Hole explores possibility of online format as a performance work and transforms into the new one reflecting the current occasion.



• 演出・振付・出演:小池 陽子

• 音楽:山中 透

• ドラマ トゥルク:内海 潤也

• 映像制作 / 配信プロディース:竹内 祥訓

• インタラクション:Kazumasa HIEI

• 照明:早川 誠司

• 映像撮影:Katsuhiro Funabashi

• 企画/制作:ENIGMA PROJECT

• 協力:アトリエ第Q芸術



• Dance / Choreography:Yoko Koike

• Music:Toru Yamanaka

• Dramaturg:Junya Utsumi

• Video production / Online Distribution:Yoshinori Takeuchi

• Interaction:Kazumasa HIEI

• Stage lighting:Seiji Hayakawa

• Video Shooter:Katsuhiro Funabashi

• Production:ENIGMA PROJECT

• Cooperation:Atelier Dai Q Geijutsu , Tokyo

■ 日程 / Date and Time

2021年2月11日(木) 19:00 - 20:10 (日本時間、上演時間70分)

※パフォーマンスは、観客参加のインタラクティブ・プログラムを含むライブ配信と、編集した映像の オンデマンド配信で公開します。(オンデマンド映像配信期間:2021年2月下旬~3月31日)



11Feb(Thu)7:00pm to 8:10pm in Japan time (GST+9)[duration:70min]

※The performance will be shown through live streaming that includes participatory interactive program and edited video broadcasting on demand after the play.(On-demand video distribution period: Late February to March 31, 2021)

ライブ配信について / Live Streaming



今回、ライブ配信は、ZOOMで行います。パフォーマンス開催までに、ZOOMアプリのインストールをお願いします。 2/11(木)は、18:50にZOOMをオープンします。

The live streaming will be available to see through ZOOM. Please install the application of ZOOM in advance. On the day, the platform will be open from 6:50pm.

◉配信URL / The Live Streaming link below

https://us02web.zoom.us/j/88464873046?pwd=NjFXdUtjTjdwZlVmZERyZnBjNGdSZz09

ID:884 6487 3046

Pass Code:enigma2021





■ Contact / お問い合わせ

project.enigma.art@gmail.com


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About ENIGMA PROJECT
ENIGMA PROJECT』は、2012年に初演されたパフォーマンス作品「ENIGMA」を、領域の異なる第一線で活躍するアーティス達が様々な角度から分析し、新たなパフォーマンス作品として再構築するプロジェクトです。「ENIGMA=エニグマ」は、ギリシア語「ainigma=謎めいた言葉」を語源に持ち、英語で「謎」や「不可解なこと」を意味します。第二次世界大戦中にナチス・ドイツによって開発されたローター式暗号機の名前としても用いられました。このプロジェクトでは、ENIGMAというキーワードに対し、サウンド、メディア、身体、言語など、メンバーそれぞれの専門分野から、問いや専門性をもって創造的にコミットし、様々な角度から常に相互拡張的な取り組みを行っています。



ENIGMA PROJECT』is a project that analyses from different perspectives and re-construct a performance work “ENIGMA”, which premiered in 2012, Kyoto. An etymology of enigma is a Greece word “ainigma” that means an obscure saying, and the word “enigma” was used for the encryption device deployed by Nazi Germany during the WWII.

A dance Yoko Koike and a music composer Toru Yamanaka have been engaged with the work ENIGMA since 2012 when it’s premiered in Kyoto. Adding a curator Junya Utsumi, a video artist Yoshinori Takeuchi, and a sound and media artist Kazumasa HIEI to the original members in 2020, they started to anlyse the performance from different perspectives and reconstruct it in an interdisciplinary way.



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ENIGMA PROJECT

web : https://enigma-project.info/

mail : project.enigma.art@gmail.com

「渋谷LOFT9アイドル倶楽部vol.20」 LOFT9 Shibuya@配信

「渋谷LOFT9アイドル倶楽部vol.20」LOFT9 Shibuya@配信

鈴木萌花(アメフラっシ)
横山結衣(AKB48)
十味(#2i2)
大和明桜(虹のコンキスタドール)
小澤愛実(ラストアイドル)

MC
吉田尚記


twitcasting.tv

DULL-COLORED POP  福島三部作 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』@配信

DULL-COLORED POP  福島三部作 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』@配信

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谷賢一の「福島三部作」をいずれも配信で観劇。これが震災・原発事故から10年後の今年、TPAMで上演されたことには大きな意味があった。福島三部作は全体で上演時間6時間の大作。原発事故を起こした福島第一原子力発電所が最初に双葉町に誘致されることになった1961年のことから震災の起こる2011年までの50年の歴史を振りかえっている。
今回三部作を続けて見てみて改めて気が付いたのはこれだけ長尺で福島第一原発の歴史を描いたのにも関わらず震災ならびに原発事故そのもののことは直接はいっさい書かれていないのだなということだった。
世の中にはリアリティーを持って表現することが困難なことがあって、谷は少なくとも現時点では原発事故や東日本大震災そのものはそうした存在だと考えているかもしれないと思った。多くの劇作家が理解しないのは安易にそれを取り上げて直接そのことを描こうとしても、思い入れ強くそれを行えば行うほど絵空事になってしまうからだ。
そういう時に私たちにできるのはそれを直接描くのではなく、その周辺をきめ細かく描き出すことで、それを陰画のようにあぶりだすことだけかもしれない。特に震災後の福島の現実を報道現場の実情を描き出すことで示そうとした福島三部作 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』にはそのことを色濃く示された作品だったといえるだろう。
福島三部作 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』で描かれるのは福島の地元放送局である。穂積家の3男、真は報道局長として特番製作を指揮している。震災に対する被害者感情はその人ごとの体験により大きく異なり、互いの間には感情の軋轢が引き起こされて県内には大きな混乱が生じていた。自分の被害感情をそのままむき出しで伝えることが果たしてマスコミの本当の役割なのか? ならば今、伝えるべき真実とは一体何か? 東京のテレビ局が期待する「フクシマ」像に迎合して視聴率をあげるのがテレビマンとしての正義なのか。第三部では震災後の福島で引き起こされたさまざまな分断を綿密な取材をもとに描きだされる。
とはいえ、人々が声高に各々の主張を叫んでいるなかで、震災の後、ひとこともものを言わず沈黙しつづるのが、第二部の主人公で原発事故の「戦犯」ともいえる元町長の穂積忠。さまざまな思いを語り続ける被災者の人々と対比され、弟の真も彼が入院している病院(老人介護施設かもしれない)に見舞いを兼ねて何度も訪問するが、結局事故のことについては何も言葉を発さないまま死んでいく。

 作・演出:谷賢一[DULL-COLORED POP]
 美術:土岐研一 照明:松本大介 音響:佐藤こうじ[Sugar Sound]
 衣裳:友好まり子 映像:松渾延拓 舞台監督:竹井祐樹[StageDoctor Co.Ltd]
 演出助手:美波利奈 制作:小野塚央
 国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2021

 出演:大原研二、佐藤千夏、ホリュウキ、宮地洸成[マチルダアパルトマン]
 [以上DULL-COLORED POP]、有田あん[劇団鹿殺し]、井上裕朗、オレノグラフィティ、
 柴田美波[文学座]、都築香弥子、春名風花、平吹敦史、山本亘
 ワタナペケイスケ[アマヤドリ]

simokitazawa.hatenablog.com
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https://peatix.com/event/1724890/watch_stream

simokitazawa.hatenablog.com
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DULL-COLORED POP 福島三部作 第二部『1986年:メビウスの輪』@アーカイブ配信

DULL-COLORED POP 福島三部作 第二部『1986年:メビウスの輪』@アーカイブ配信

アーカイブ配信で観劇。谷賢一の「福島三部作」はいずれも優れた作品だとは思うが「福島の悲劇」という主題で考えると中でも第二部は谷賢一渾身の傑作なのだということを今回の上演を見て改めて感じた。ここでは原発反対派のリーダーだった三兄弟の次男、穂積忠がなぜいわば信念を曲げ「転向」して原発推進派の双葉町長になっていったのかが語られる。
第二部は演劇としては全体が「歌舞伎仕立て」になっている。クライマックス場面では隈取をしたメイクをして「日本の原発は安全です」と忌野清志郎の楽曲に乗せて、ロック歌手さながらに連呼する。重い主題と裏腹にこの第二部はコミカルな作りになっていて、初演の時にはあまりそこまでは意識してなかったのであろうが、俳優のセリフのやりとりは明らかに「半沢直樹」を思わせるような過剰なまでの「芝居仕立て」になっているのだ。
その一方で舞台の冒頭で前作を受け継ぐように人形劇仕立てで演じられる愛犬モモの死が語られ、第二部の物語全体がすでに死んでいるモモが現世を俯瞰して眺めたかのように一人称で語るという作りにもなっている。死者の眼からこの世界を俯瞰するという構造は明らかにソーントン・ワイルダーの「わが町」を思わせるものであって、この第二部でそれは直接触れられることはないけれど、この物語で起こった出来事のすべてが2011年3月にここで起こる悲劇に必然的につながり、その先のいまここにいる私たちともつながっていることを暗示しているようにもみえるのだ。

 作・演出:谷賢一[DULL-COLORED POP]
 美術:土岐研一 照明:松本大介 音響:佐藤こうじ[Sugar Sound]
 衣裳:友好まり子 映像:松渾延拓 舞台監督:竹井祐樹[StageDoctor Co.Ltd]
 演出助手:美波利奈 制作:小野塚央
 国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2021

 出演:宮地洸成[マチルダアパルトマン/DULL-COLORED POP]、岸田研二、
 木下祐子、椎名一浩、藤川修二[青☆組]、古河耕史、百花亜希

福島で生まれ、原発で働く技術者を父に持つ谷賢一が、2年半に渡るリサーチを経て書き下ろし、1960年代以来の日本の小劇場の様々なスタイルを取り入れてまとめあげた合計約6時間の三部作。2018年に第一部を先行上演、2019年にいわき、東京、大阪で三作品を一挙に上演し1万人以上を動員、2020年の岸田國士戯曲賞を受賞した。再演不可能と言われた大作を、東日本大震災福島第一原発事故10周年の開催となるTPAM2021で再訪する。

福島第一原発が建設・稼働し、15年が経過した1985年の双葉町。かつて原発反対派のリーダーとして活動したために議席を失った<穂積 忠>(<孝>の弟)の下に、ある晩2人の男が現れ、説得を始める。「町長選挙に出馬してくれないか、ただし『原発賛成派』として……」。そして1986年、チェルノブイリでは人類未曾有の原発事故が起きようとしていた。実在した町長・岩本忠夫氏の人生に取材し、原発立地自治体の抱える苦悩と歪んだ欲望を描き出すシリーズ第二弾。

【Full Movie】ワンマンライブ「アメフラっシ大感謝祭2020がっつりライブ」/Concert「Amefurasshi Great Thanksgiving 2020 NonStop Live」

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