下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

果てとチーク「はやくぜんぶおわってしまえ」(1回目)@アトリエ春風舎

果てとチーク「はやくぜんぶおわってしまえ」(1回目)@アトリエ春風舎


升味加耀作・演出の舞台を見たのは2018年の無隣館の若手自主企画以来だから、途中にコロナ禍が入ったとはいえずいぶんひさしぶりのことといっていい。
その際に実はこのように書いた。

無隣館がただの養成所ではなく、若き才能の宝庫であることはすでに1期2期を見てきた経験からはっきり分かっていることではあるが、第3期も同様に侮れない。いきなり、1期の綾門優季を髣髴とさせるアンファンテリブルが出てきた。升味加耀という女性作家の舞台を少し見ただけでそんなことを痛感した。

アンファンテリブルという言葉は綾門優季に使った後、やはり無隣館出身の若手女性作家、宮崎玲奈にも使った。このふたりはいずれも2022年の演劇ベストアクトの上位で私は選んでおり、それはコンスタントな活動を続けてきた賜物であるとも考えているが、升味も見ることはできなかったが、ある程度コンスタントに活動を続けていただけにどのように成長を遂げているか、久々の観劇が楽しみでもあった。
教室に女生徒が集まってきて、一見たわいない話をわちゃわちゃ話をしている様子は平田オリザの「転校生」を思い出させた。登場人物の人数は少ないが、作品自体は現代口語演劇のフォーマットに従って作られているからだ。ただ、そのことは難問を作者に突き付けているとも言える。「転校生」の当時平田オリザが指摘していたのは現代口語の演劇が日常を描き出すといってもそれだけでは演劇にはならないということだった。
実は最近見た「日本文学盛衰史」において、明治の文学者たちにほぼ同じ内容のことを口語体の文学について言わせているが、つまりそこには写生だけではない仕掛けが必要なのだということだ。
最初は女生徒らによるジャニーズについての話題から始まるが、これにはいくつかの狙いがある。1つ目はこの話が今現在ではなく、10年ぐらいか少し前の出来事であることがうかがえること。もうひとつは生徒のひとりにその話題を避けるかのように席を外してしまう生徒がおり、
彼女が帰国子女でアイドルなど日本のサブカルチャー的な話題に着いていけなくて、阻害感を持っていることが分かることだ。
(続く)

作・演出:升味加耀
「生徒の性自認が揺らぐ」「外見で順位をつけてはいけない」
私立清正(せいせい)女子ミス・ミスターコンは、突然その中止を余儀なくされた。
結果発表直前の教師の指示に、未だ納得できない実行委員たちの議論が白熱する。
2012年の私たちと、透明で静かな地獄のお話。


■おしらせ①
本作は、性的マイノリティに対する差別表現及び、主に女性への性加害に関する言及が含まれます。
フラッシュバック等の不安がある方には、事前に該当シーンの台本データを送付いたします。
希望される方はページ下部にある専用アドレスまでお問い合せください。

■おしらせ②
呼吸器・皮膚疾患・感覚過敏等でマスクのご着用が難しい方へ

果てとチーク
青年団演出部所属・升味加耀が、2016年ベルリンにて旗揚げ。
深刻な社会問題を突飛な設定で戯画的に描き、理不尽な現状への憎悪と、未来へのささやかな希望を込めた作品作りを行っている。

出演
井澤佳奈、川村瑞樹、Q本かよ、中島有紀乃、名古屋愛、升味加耀

スタッフ
作・演出|升味 加耀
ドラマターグ|綾門 優季青年団リンク キュイ)
舞台監督|大石 晟雄(劇団晴天/みさくぼ)
音響・照明|櫻内 憧海(お布団)
宣伝美術|間宮 きりん
宣伝イラスト|little red boy
制作|半澤 裕彦

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青年団第96回公演「日本文学盛衰史」(2回目)@吉祥寺シアター

青年団第96回公演「日本文学盛衰史」(2回目)@吉祥寺シアター


青年団日本文学盛衰史*1の5年ぶりの再演。初演の時にもそう思ったのだが、この作品が原作と違うのは平田オリザらが1990年代に行った現代演劇における現代口語演劇を巡る試行錯誤が明治の文学者らによる口語体文学(小説)の誕生に向けての試行錯誤と重ね合わせられているところにあるかもしれない。
平田オリザには珍しく時代によって移り変わっていくような時事問題的な要素が数多く作品に挿入されているのも現代と過去の重ね合わせや対比が念頭にあるからだろう。さらにいえば今回の再演では初演以降の出来事が数多く盛り込まれていたのも平田には珍しく面白いことであった。
 今回の上演が興味深いのはここ数年平田オリザが政治や文化を巡る発言をするたびにネットを中心にバッシングが起こるようなことが多かったことを反映してか、コロナ禍におけるエンタメへの自粛の圧力やあいちトリエンナーレを巡っての政治的な圧力、逆にコロナ禍で五輪を強行したことで露わになってきた利権の存在などをモチーフに積極的に取り入れていることだ。
特に森鴎外が陸軍の軍人でもあったことの意味を考えさせていく中で、東京五輪における森喜朗の存在とつなげてみせたアクロバットは芸としてなかなか見事なものであったと思う。
 

原作:高橋源一郎  作・演出:平田オリザ
吉祥寺公演 2023年1月13日[金] - 1月30日[月] 
伊丹公演 2023年2月2日[木] - 2月6日[月] 
文学とは何か、人はなぜ文学を欲するのか、

人には内面というものがあるらしい。
そして、それは言葉によって表現ができるものらしい。
しかし、私たちは、まだ、その言葉を持っていない。
この舞台は、そのことに気がついてしまった明治の若者たちの蒼い恍惚と苦悩を描く青春群像劇である。

高橋源一郎氏の小説『日本文学盛衰史』を下敷きに、日本近代文学の黎明期を、抱腹絶倒のコメディタッチでわかりやすく綴った青春群像劇。初演時に大きな反響を呼び、第22回鶴屋南北戯曲賞を受賞した作品の待望の再演となる。笑いの中に「文学とは何か」「近代とは何か」「文学は青春をかけるに値するものか」といった根本的な命題が浮かび上がる、どの年代でも楽しめるエンタテイメント作品。

[上演時間:約2時間20分(予定)・途中休憩なし]

原作:『日本文学盛衰史』(講談社文庫刊)

高橋源一郎の長編小説。『群像』に1997年〜2000年にかけて連載。
日本近現代文学の文豪たちの作品や彼らの私生活に素材を取りつつ、ラップ、アダルトビデオ、伝言ダイヤル、BBSの書き込みと「祭」、たまごっち、果ては作者自らの胃カメラ写真までが登場する超絶長編小説。第13回伊藤整文学賞受賞作。

原作者:高橋源一郎

1951年広島県生まれ。作家。明治学院大学名誉教授。
1981年デビュー作、『さようなら、ギャングたち』で第4回群像新人長篇小説賞優秀作受賞。
1988年『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島由紀夫賞受賞。
2002年『日本文学盛衰史』で第13回伊藤整文学賞受賞。
2012年『さよならクリストファー・ロビン』で第48回谷崎潤一郎賞を受賞。
著書に『今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇』、『これは、アレだな』、『失われたTOKIOを求めて』他多数。


©︎ igaki photo studio

吉祥寺公演伊丹公演
出演
山内健司 松田弘子 永井秀樹 小林 智 兵藤公美 島田曜蔵
能島瑞穂 知念史麻 古屋隆太 石橋亜希子 井上三奈子 大竹 直
髙橋智子 村井まどか 長野 海 村田牧子 山本裕子 海津 忠
菊池佳南 緑川史絵 佐藤 滋 串尾一輝 中藤 奨 田崎小春

スタッフ
舞台美術:杉山 至
舞台美術アシスタント:濱崎賢二 
舞台監督:武吉浩二(campana)
照明:西本 彩 三嶋聖子
音響:泉田雄太 櫻内憧海[伊丹公演]
衣裳:正金 彩
衣裳製作:中原明子
衣裳アシスタント:陳 彦君 塚本かな 原田つむぎ
演出部:原田香純 たむらみずほ
小道具:中村真生
演出助手:小原 花
宣伝美術:工藤規雄+渡辺佳奈子 太田裕子
宣伝写真:佐藤孝仁
宣伝美術スタイリスト:山口友里
制作:太田久美子 金澤 昭[吉祥寺公演] 赤刎千久子 込江 芳
制作補佐:三浦雨林
タイトルロゴ制作資料協力:公益財団法人日本近代文学館
協力:(株)アレス

戦前の政府・軍部による思想、文化活動への弾圧と昨今の日本の文化軽視の政治圧力が二重重ねに 青年団第96回公演「日本文学盛衰史」@吉祥寺シアター

青年団第96回公演「日本文学盛衰史」@吉祥寺シアター


青年団日本文学盛衰史*1の5年ぶりの再演。初演はつい先日のように記憶していたが、その間に青年団の本体は豊岡に移転、コロナ禍もやってきて、初演時に雄姿を見せていた志賀廣太郎氏が物故されていることなどを考えるとずいぶん時間が経過したというようにも思われた。
 明治時代の部分はキャストの変更を除いておおかた前回公演の時と同じだが、現代とのつながりの部分は最近起こった時事的な出来事を取り入れて大幅に書き換えられている。そして、この部分からは「老成の人」と受けとられている平田オリザだが、あいちトリエンナーレ表現の自由の問題、東京五輪を巡る問題、コロナ禍の自粛にかかわる演劇バッシング(そして、そのうちのかなりの部分が平田自身に向けられたものでもあった)などここ数年に起こった出来事がいかに腹に据えかねるものだったかがよく分かって、この人が実は熱血の人だというのが良く伝わってくる。そして、重ね合わせというのが平田の得意技といってもいいのだが、ここでは直接描かれることはないが、この中でも迫りつつある空気感がうかがわれる戦前の政府・軍部による思想、文化活動への弾圧と昨今の日本の文化への政治的な圧力が二重重ねになっているのだ。

この二重重ねというのは観客の思考のトリガーとなるきっかけにもなっている。樋口一葉チェルフィッチュの「三月の5日間」ようなセリフ回しで「大つごもり」を演じるのはまずは口語表現への新たなアプローチの問題にかかわる共通点があるからだが、都市部の若年層の貧困をモチーフとして選んだことに岡田利規樋口一葉には共通項があると考えたからではないか。
宮崎賢治がラップを歌うのも彼が日本語の詩が韻を踏むということの意味合いを考えて続けた詩人であったからだ。
ミルクボーイの漫才の形式を模した幸徳秋水の「おかんが思い出せない○○主義」という新ネタとして入ったが、これも知的でかつ笑いもとれていたし、この手のものとしては非常に秀逸だった。幸徳秋水自身は「アナーキスト無政府主義者)」を名乗っていたと思うのだが、そういうのはどうでもよくて、こういう細かいことは打ち捨てて「共産主義」を持ってきたインパクトは正解だろう。
ペンライトの演出も健在。これはモノノフ(ももクロのファン)以外には何だか分からないかしれないが、「幕が上がる」以来のつながりを今でも大事にしてくれているのファンとしてはとても嬉しい。

原作:高橋源一郎  作・演出:平田オリザ
吉祥寺公演 2023年1月13日[金] - 1月30日[月] 
伊丹公演 2023年2月2日[木] - 2月6日[月] 
文学とは何か、人はなぜ文学を欲するのか、

人には内面というものがあるらしい。
そして、それは言葉によって表現ができるものらしい。
しかし、私たちは、まだ、その言葉を持っていない。
この舞台は、そのことに気がついてしまった明治の若者たちの蒼い恍惚と苦悩を描く青春群像劇である。

高橋源一郎氏の小説『日本文学盛衰史』を下敷きに、日本近代文学の黎明期を、抱腹絶倒のコメディタッチでわかりやすく綴った青春群像劇。初演時に大きな反響を呼び、第22回鶴屋南北戯曲賞を受賞した作品の待望の再演となる。笑いの中に「文学とは何か」「近代とは何か」「文学は青春をかけるに値するものか」といった根本的な命題が浮かび上がる、どの年代でも楽しめるエンタテイメント作品。

[上演時間:約2時間20分(予定)・途中休憩なし]

原作:『日本文学盛衰史』(講談社文庫刊)

高橋源一郎の長編小説。『群像』に1997年〜2000年にかけて連載。
日本近現代文学の文豪たちの作品や彼らの私生活に素材を取りつつ、ラップ、アダルトビデオ、伝言ダイヤル、BBSの書き込みと「祭」、たまごっち、果ては作者自らの胃カメラ写真までが登場する超絶長編小説。第13回伊藤整文学賞受賞作。

原作者:高橋源一郎

1951年広島県生まれ。作家。明治学院大学名誉教授。
1981年デビュー作、『さようなら、ギャングたち』で第4回群像新人長篇小説賞優秀作受賞。
1988年『優雅で感傷的な日本野球』で第1回三島由紀夫賞受賞。
2002年『日本文学盛衰史』で第13回伊藤整文学賞受賞。
2012年『さよならクリストファー・ロビン』で第48回谷崎潤一郎賞を受賞。
著書に『今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇』、『これは、アレだな』、『失われたTOKIOを求めて』他多数。


©︎ igaki photo studio

吉祥寺公演伊丹公演
出演
山内健司 松田弘子 永井秀樹 小林 智 兵藤公美 島田曜蔵
能島瑞穂 知念史麻 古屋隆太 石橋亜希子 井上三奈子 大竹 直
髙橋智子 村井まどか 長野 海 村田牧子 山本裕子 海津 忠
菊池佳南 緑川史絵 佐藤 滋 串尾一輝 中藤 奨 田崎小春

スタッフ
舞台美術:杉山 至
舞台美術アシスタント:濱崎賢二 
舞台監督:武吉浩二(campana)
照明:西本 彩 三嶋聖子
音響:泉田雄太 櫻内憧海[伊丹公演]
衣裳:正金 彩
衣裳製作:中原明子
衣裳アシスタント:陳 彦君 塚本かな 原田つむぎ
演出部:原田香純 たむらみずほ
小道具:中村真生
演出助手:小原 花
宣伝美術:工藤規雄+渡辺佳奈子 太田裕子
宣伝写真:佐藤孝仁
宣伝美術スタイリスト:山口友里
制作:太田久美子 金澤 昭[吉祥寺公演] 赤刎千久子 込江 芳
制作補佐:三浦雨林
タイトルロゴ制作資料協力:公益財団法人日本近代文学館
協力:(株)アレス

下書きプレビュー

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 ムニ「ことばにない」前編
 @駒場東大前 こまばアゴラ劇場(2022/11/03-13 12ステージ)
 全自由 前半割引一般3500円 一般4000円 25歳以下3500円 18歳以下1000円
 当日券 各500円増
  @京都 THEATRE E9 KYOTO 11/26-28 4ステージ

 作・演出:宮崎玲奈
 空間設計:渡辺瑞帆[青年団] 舞台監督:黒澤多生[青年団] 
 照明:緒方稔記[黒猿] 照明操作:伊藤拓[青年団] 
 音響デザイン:SKANK/スカンク[Nibroll] 衣装:坊薗初菜[青年団]
 宣伝美術:江原未来 制作:河野遥[ヌトミック] 制作部:青柳糸、寺前柊斗、
 林美月、彦坂紗里奈、渡邉結衣
 演出部:安齋彩音、秋山実里、池田きくの、石井泉、伊勢広、大島康彰、加賀田玲、
 金指喜春[おんたま玉]、黒澤風太佐々木明音、笹田伶、関彩葉、高橋あずさ
 [終のすみか]、富髙有紗、筒井野瑛、冨岡英香、西出結、彭夏子、彦坂紗里奈、
 前田倫、山田朋佳、伊藤拓[青年団] 小道具協力:辻本直樹(Nichecraft)
 出演:
 藍島晴香   :塩田朝美(紗代の教え子、元演劇部、 かのこと仲が良い)
 ワタナベミノリ:野村ゆず(紗代の教え子 元演劇部、 現在も続けている)
 巻島みのり  :高倉かのこ( 紗代の教え子、 元演劇部、 レズビアン)
 浦田すみれ  :宮地美豬(紗代の教え子 元演劇部、ゆずと仲がいい)
 和田華子[青年団]:吉井花苗(かのこと付き合っている、レズビアン)、主治医

 石川朝日    :浅田春(朝美のパートナー)、美緒のバイト先の店長、ゆずの父
 黒澤多生[青年団]:山川雄也(山川紗代の一人息子)、かのこの塾の生徒、公民館の受付
 田島冴香[FUKAIPRODUCE 羽衣]:山川美由(紗代の姪、議員、美しさを大切にしている) 
         、ゆずの母

 古川路 (TeXi's):山川紗枝(紗代の姪、 美由の妹)
 南風盛もえ[青年団]:吉本野江(ゆずの演劇繋がりの友人)、記者
 藤家矢麻刀:安川陽(野江の学生時代の先輩、ワークショップを行う)、
      かのこの塾の塾長、記者

 立蔵葉子(声の出演)[青年団/梨茄子]:山川紗代(先生、 戯曲を残して死んだ。
  出てこない)

 2022/11/13(土)晴 5:00-9:23PM(98/休8/66/休7/83)最前方 客席満員(45人)
 客層:2世代、男性過半数
 客入れ:感染対策。手指消毒、検温。開場時20人ほど。椅子4列、クッション追加。
 長時間になるので助かり。上演と休憩時間についてアナウンス、軽食可とのこと
 だけど、マッハ速がいるのでは?。当日パンフ A4両面。物販。上演台本1000円。
 カーテンコール2回。

 舞台。床に不ぞろい/色とりどりのタイル。正面壁にも続き。ソファら場面毎、
 役者達が持ちこみ式。ドリンクカップも鞄から取り出し置き(なんか愉快)。
 お話。20代後半の元高校演劇部員達。それぞれに生活も、毎年作演出を持ち回りで
 演劇を続けている。とある日、恩赦が亡くなり、台本の草稿が遺志を汲んだ息子から
 彼女達の元へ上演を前提に送られる。そこには「わたしはことばそれ自体に
 なりたかった」「欲望は見えなくされているだけだ」と書かれ、ビアンであった
 ことが記されていて。

 レズビアンアイデンティティを中心に取り上げ、周囲とも閉塞感絶えず、私が私に
 なり辛い時代を活写。表現者たる演劇人達が主人公。2幕は丸ごと他者の言葉を
 聞き話すワークショップ場面とし、学んでもままならない現実を、残酷に突きつけて
 苦さ増し。会話主体、そんな人がそんな風にいる、登場人物に寄り添うけど、
 装わない様がいい。終始距離が近く、引き込まれて、同じ場にいるよう。
 言葉にならないこと、恐怖や恐れを「モンスター」で現してスパイシー。敵方
 (政治家)の心理にも当てはめて拡げ。終盤近くのハッピーミュージカル演出は
 ラ・ラ・ランドに心踊り/奈落落ちと痛い感。件のビアンカップルのこの先が
 気がかりでしょうがないねこ。後編上演の来年が早くくればいいのに。

かまどキッチン「燦燦SUN讃讃讃讃」@こまばアゴラ劇場 =公演中止

かまどキッチン「燦燦SUN讃讃讃讃」@こまばアゴラ劇場=公演中止

かまどキッチンの公演はコロナ感染者が出たため中止に。 関係者のコロナ感染により中止になる舞台が再び増え始めている中で、かまどキッチン「燦燦SUN讃讃讃讃」についていえば感染者が出たことで初日からしばらく公演を延期。感染した俳優に代役を立てることで、なんとか上演にこぎつけた。私は当初観劇するはずだつた観劇日程が公演延期になったため、別の日程で二度観劇の予約をしていた。しかし、所用で上演があった観劇予定の日をキャンセル、楽日であるこの日の観劇を予定していたが、楽日は再び別の感染者が関係者に出たようで、今回の公演を観劇することができなくなってしまった。

作・演出:児玉健吾
きみの家のお洋服が、きみのいないクローゼットで巻き起こすドタバタ活劇。息をすったら目をとじて。手をたたいたら開けてごらん。聞こえてくるのは、衣替えから始まるてんやわんやの物語。かまどキッチンのお送りする、一筋縄じゃいかない=扉一枚先のフィクション!


かまどキッチン『燦燦SUN讃讃讃讃』公演について、初日延期が決定いたしました。

以下、こまばアゴラ劇場の告知となります。
http://www.komaba-agora.com/2023/01/14026

かまどキッチン
児玉健吾の演劇作品を上演するソロプロジェクトとして2017年に設立。2019年に劇団化。
「半径数ミリから数万キロまでを生活に再構築するフィクション」を創作する。杉林、雲、埃といった人間の目に映る風景をモチーフに、それらを二次創作的にカリカチュアしたキャラクターを創造することが特徴。ポップな生活の中でモチーフと人間社会の関わりを描き、風景と想像、記号と身体、自然と社会といった人間とモチーフが持つ関係を軽やかに往復する。




出演
石原朋香、神田初音ファレル(オフワンズ)、古賀友樹、佐藤真喜子、中村亮太、藤家矢麻刀、松﨑義邦(東京デスロック)、山田遥野(青年団

スタッフ
振付: 神田初音ファレル(オフワンズ)
舞台監督: 久保田智也
舞台美術: 中谷優希
照明: 松田桂一
音響: おにぎり海人(かまどキッチン)
演出補佐: 奥山諒太郎、加納遥陽、かまぼこ、谷平絵梨、ひろなかたけと
宣伝美術: 古戸森陽乃(かるがも団地)
イラスト・音楽: 坂田機械(かまどキッチン)
記録映像:高畑陸(ニュービデオシステム)
恵比須亮(ニュービデオシステム)
当日運営: 宮野風紗音(かるがも団地)
制作協力: 加藤じゅんこ(ジエン社)
プロデュース・ドラマトゥルク: 佃直哉(かまどキッチン)

AMEFURASSHI敢闘も東北産がシンデレラ 播磨の「勇気のシルエット」熱唱に 感涙<スタプラアイドルフェスティバル〜今宵、シンデレラグループが決まる〜powered by スタプラアイドルラジオ>@横浜アリーナ

スタプラアイドルフェスティバル〜今宵、シンデレラグループが決まる〜powered by スタプラアイドルラジオ>@横浜アリーナ



モノノフでありスタプラのほかのグループも楽しみではあるが、今年はAMEFURASSHI応援モードで参加する予定。それというのも今回はこれまでの2回とは違いグループ対抗、しかもバラエティ的なお楽しみ企画にも見えるが、優勝すれば最後に大勢のスタプラファンがいる横浜アリーナでライブができるという特典がついているというのを聞いたからだ。@JAM EXPOなどもメインのストロベリーステージとしてこのアリーナに立っているなかで、AMEFURASSHIは横浜アリーナでのワンマンが発表された超とき宣やそれを追いアリーナ級を視野にいれつつあるいぎなり東北産、ばってん少女隊と違い、実力では引けを取らないが有効なプロモーションの機会が少なく、メンバーも運営ものどから手がでるぐらいそうした機会を手にれたいはずだ。とりあえず全グループが行うミニライブでは新曲の「Fly Out」「Love is love」でその高い歌とダンスのスキルを見せつけ、洋楽ファンの経験も少なくないモノノフを相手にぶちかましてほしいと思っているが、毎日ものまねや大喜利トーナメントチャンピオンの小島はなや口から生まれてきたようなトークスキルを持つ市川優月、ひなた転校後のスタプラの歌姫第一候補で弾き語りライブを行うなどギター演奏も特異な鈴木萌花、モデルとしても活躍する美貌の持ち主なのに尊敬する百田夏菜子の系譜を継ぐオオボケもかます愛来とそれぞれに異なる才能を持つグループだけに爪痕を残すのは間違いないはずだ。
ライバルはスタプラフェスに合わせて「たけのこにょっき」のダンス動画を挙げるなどここに標準を合わせて勝負にきているCROWN POP、異能集団のいぎなり東北産か。東北産は昔桜エビ~ずと対抗戦やったとき闘志が凄かったな。
 とここまでは事前予想だったが、実際のシンデレラの座の獲得への勝負では最後の種目の横浜アリーナの周回を半周するレースで風見和香の快走で一時は私立恵比寿中学に同点に追いつかれたものの、優勝を決定するジャンケン勝負に勝利、いぎなり東北産がシンデレラチームとなった。事前予想でもこうした勝負ごとにかける東北産の思いの強さを感じたが、AMEFURASSHIも頑張ったけれど律月ひかるに小島はなが勝てなかったものボケなど勝負どころで競り負けた感は否めない。
シンデレラは東北産でもこの日のライブ全体の白眉となったのは横浜アリーナのセンターステージにただひとりで立って、3Bjuniorのアンセム曲だった「勇気のシルエット」を涙を堪えながら歌った播磨かなだったのはその時に会場に居合わせたほとんどの人が異論なく認めるだろう。
 播磨がひとりでステージに出てきた時に皆何を歌うのだろうと固唾をのんだと思うのだが、ソロ曲がないだけにAwww!の曲かなそれともひさびさにはちみつロケットの歌を歌うのかなと注目して待つ中でこの曲のイントロが聴こえた瞬間、この歌があったと全身が総毛立つ思いがした。以前、浪江女子発組合が日本武道館に立ったその時にはぜひとも3Bjuniorのアンセム曲だった「勇気のシルエット」をもう一度メンバー全員で歌ってほしいと書いたことがあった*1のだが、横アリでひとりだけで歌うなら播磨ほどふさわしい人選はないだろうと思った。播磨自身もこれまでのいろんなことが脳裏をよぎったのか、途中で何度か込み上げてきて歌えなくなり、歌い終わった後のMCではそれを悔やむような言葉もきかれたが、アイドルの行為としてはそれが正解なのではないだろうか。
 ライブがとてもよかったのがCROWN POP(クラポ)だ。いつも以上に気合いが入っていたのでどうしたのかと思っていたが、直前に「私たちは横浜アリーナでのワンマンライブを目指す}とそれまで言っていなかったグループの目標としての横アリでのライブだっただけに気合いが入るはずだ。もっとも昨年一昨年の@JAM EXPOもそうだったが、以前からこのステージに立つときの彼女らの気合いの入り方というのは少し違うものを感じてたし、横浜アリーナでのスタプラフェスといえば三田美吹が初代シンデレラの座を射止めた特別な会場でもあり、やはり目指すべき特別な場所はここになるはずだ。
 「たけのこにゅっき」はライブでは初めて聞いたが、爆発力が凄い。AMEFURASSHIの後でのパフォーマンスはけっしてやりやすくはなかったが、この曲1曲で空気を変え、おなじみの「夏☆きらり」「僕たちの証」と畳みかけたパフォーマンスはこの日トップレベルのものだったと思う。

日時:2023年1月14日(土)開場13:00/開演14:30

会場:横浜アリーナ(キャパは現状100%有観客想定)
料金:指定席¥9900/お子様ファミリー席¥9900

■券売
ニッポン放送番組最速先行(抽選)10月8日(土)20:00〜10月12日(水)23:59
・スタコミュ先行(抽選)10月15日(土)18:00〜10月23日(日)23:59
・FC先行(抽選)10月26日(水)18:00〜10月31日(月)23:59
・一般発売 12月17日(土)AM10:00〜(予定)

出演:スターダストプラネット所属の11組59名(予定)
ももいろクローバーZ私立恵比寿中学、TEAM SHACHI、超ときめき♡宣伝部、ばってん少女隊、AMEFURASSHI、いぎなり東北産、ukka、CROWN POP、B.O.L.T、播磨かな

MC:吉田尚記アナウンサー/橘花
イベントハッシュタグ:#スタプラアイドルフェス

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洋楽志向の極致に向かって スタプラフェスの前にAMEFURASSHIの新曲「Fly Out」と「Love is love」を紹介

AMEFURASSHIの新曲「Fly Out」と「Love is love」


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 1月1日に配信されたばかりの新曲が「Fly Out」。とはいえ、ライブでは昨年の「FALL IN LOVE TOUR」のファイナルですでに披露されており、同じく年末にMVが公開された「Love is love」とともにハイスキルなダンスパフォーマンスとも相まって新たなAMEFURASSHIの大きな武器となっていきそうな楽曲だ。「K-POPみたい」と言われることも多いのだが、どちらかというと韓流グループもその一部に位置付けられる欧米のポップミュージックの趨勢を意識した楽曲づくりが特徴といっていいだろう。そのために一部アイドルファンからはそっぽを向かれる結果にもなっているが、例えば作者が90年代ハウスミュージックを意識したとはっきりと言及しているが、これは米国でビヨンセの新曲「Break my Soul」にそうした方向性が見られるようにそのリバイバルが最新の流行となっているような動きをはっきりと意識したものだといえそうだ。

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今年の上半期のAMEFURASSHIの重点はひとつはスタダのほかのグループと一緒に参加するタイでの「JAPAN EXPO」ではないかと思う。日本ではスターダストプラネットの末妹的な存在として遇され、アイドルグループとみなされることも多いAMEFURASSHIだが、彼女らの最大の武器は歌とダンスの高度な技術であり、未完成を愛でるような傾向があるアイドルオタクに対してはそれがマイナスに働くことも多いなかで、海外なら横一線での評価が受けられる。過去の動員実績や活動実績が重視される日本のアイドルフェスの現場ではパフォーマンスとは見合わないような小さな会場に追いやられる傾向が強い現在の状況を打破するきっかけのひとつとしたいという思いがあるのではないか。
 実は今年は新年のNew Year Premium Party 2023で本来はまず新曲2曲を披露して、名刺代わりの一発をかましロケットスタートを切る予定だったと思われるが、愛来が体調不良で欠場となったことで新曲披露は断念。ますます次のチャンスであるスタプラフェスの場が重要になってきたからだ。それほど長い時間がとれるわけではないなかなので、なじみのある「MICHI」や「メタモルフォーゼ」をやるという選択肢もないではないが、前回のスタプラフェスではまだライブではほとんどやっていなかった「Drop Drop」をいきなり披露し、度肝を抜いたこともあり、「Fly Out」と「Love is love」をやってくれると信じている。
【連載1回目】「ももクロを聴け!」の堀埜浩二さんにAMEFURASSHI「Drop」について聴く(1) - 中西理の下北沢通信

『シアターアーツ』「2022AICT会員アンケート」

『シアターアーツ』「2022AICT会員アンケート」


4月発行予定のAICT(国際演劇評論家協会)日本センター『シアターアーツ』(晩成書房)67号に掲載される「2022AICT会員アンケート」に参加。




■優れていた作品(5本、順位あり)
(1) ムニ『ことばにない 前編』こまばアゴラ劇場
(2) 青年団リンク キュイ『あなたたちを凍結させるための呪詛』アトリエ春風舎
(3) 悪い芝居『愛しのボカン』本多劇場
(4) ダンスカンパニーデペイズマン『#FAFAFA ファウストこまばアゴラ劇場
(5) lal bonshees「幽憬」シアタートラム

■優れていたアーティスト(3名まで)
○宮崎玲奈(劇作家・演出家/ムニ)
○綾門優季(劇作家/ 青年団リンク キュイ)
○山崎彬(劇作家・演出家/悪い芝居)

■新人アーティスト
一川華(劇作家/HANA' MELANCHOLY)

■年間回顧(400字程度)

 コロナ感染による日常生活への影響が出始めてから3年が経過。公演ができない状況に追い込まれた時期とは違い十分な感染対策を実施すれば、公演自体は通常の客席数で可能になったが、作品の中身を考えるとコロナ禍は現代演劇の流れに大きな影を落としたことは間違いない。生きていくことの辛さをモチーフにした演劇が若手作家の間で増えてきている。綾門優季作の青年団リンク キュイ「あなたたちを凍結させるための呪詛」のようにコロナ禍を直接描く場合もあるが、同性愛者に対する社会的な抑圧を描いたムニ「ことばにない 前編」、精神疾患をかかえた人たちを描いたいいへんじ「薬をもらいにいく薬」「器」、お布団「夜を治める者」、不況のもと貧困に苦しむ若者を描いた小田尚稔の演劇「よく生きろ!」など作品の多くはコロナそのものを描くのではなく、描かれた世界での生き辛い状況を描き出すことでコロナ禍の閉塞された状況をそこに仮託しようとしているようにも感じた。

■年間の観劇本数
約150本

元BiSとももクロで武道館で歌ったBiSH「オーケストラ」に感涙 【配信&アーカイブ】『第6回 ももいろ歌合戦〜50組以上の超豪華出場者と年越し8時間無料生放送〜』@AbemaTV

『第6回 ももいろ歌合戦〜50組以上の超豪華出場者と年越し8時間無料生放送〜』@AbemaTV

今年の目玉も「最強アイドルメドレー」

全体を通して見たとき、大御所や人気シンガーが多数参加したにも関わらず、目玉となったのは「最強アイドルメドレー」だったことは間違いない。
中でもメドレーのラストを飾ったのが、ファーストサマーウイカももクロ4人によるBiSH「オーケストラ」だったということが分かった時には全身が総毛立つようななんともいえない感覚を感じたのだ。
 私はBiSHの熱心なファンというわけではないが、このパフォーマンスは2023年での解散を発表しているBiSHへのアイドル界の仲間としてのエールが込められているわけだが、事情を少しでも知っているものにはセンターに立っているのが、日本武道館での公演を目標としながらもついにそれをかなえることなく解散したBISのメンバーだったウイカが武道館のセンターステージに立ち後輩でBiSの思いを受け継いで発足したBiSHの代表曲を歌っているという状況自体が「特別なもの」なのである。
 ウイカ自身がこの歌をももクロと一緒に歌うというのはももクロ側からの申し出であったと語っており、これを企画したのは十中八九、佐々木彩夏(あーりん)であることは確実だ。ももクロのプロデューサーである川上アキラはプロレスを念頭に自らのプロデュース術を「点と点を結んで線にする」と語ったが、今回の「オーケストラ」は文字通りその哲学を受け継いだものだ。
 それはもちろんBiSやBiSHに絡んだもろもろの歴史的な事実を踏まえて仕掛けたものだ。というのは佐々木は自らが企画したアイドルフェス「AYAKARNIVAL」にBiSHが所属する事務所であるWACKから3年連続でEMPiREというBiSHの妹分グループを呼び、今のところ最後の「AYAKARNIVAL」となっている一昨年はこの武道館で開催し、WACKにとってここが特別な場所だと知ったうえでここに立たせたという経緯があったからだ。
 BiSHは2023年いっぱいでの解散を発表し、これからツアーに出るところであるけれど、武道館については今のところ何の発表もない。とはいえ、発表されたスケジュールでファイナルとなりそうな6月の東京ドームが発表された後でも、BiSHのファンはまだ日本武道館での公演が諦めきれないようだし、何らかの形でやるのではないかと思っているようだ。
 そうだとすればAYAKARNIVAL→ファーストサマーウイカ→BiSHと点をつないでできた線がBiSHの単独公演として有終の美を飾れるのならばそれでよし、もしそれがかなわないならばそれが東京ドームファイナルの後であっても、AYKARNIVALあるいはももいろ歌合戦で日本武道館に立ってもらうということを考えているのではなかろうか。これは結局のところ渡辺淳之介がそれをよしとして受けるかどうかなのだと思われるので。とりあえず相手に向かってボールは投げられたのだと思う。
 

 点と点を結んでの仕掛けということであればAKB48のダンス曲のあーりん軍団によるカバーも今年で2年連続となった。昨年の「根も葉もRumor」は話題になったことで@JAM EXPOでのあーりんとAKBのスペシャルコラボにまでつながった。今年も引き続き「元彼です」を披露したが、興味深いのは今年はそのメンバーにスタプラ東京女子流だけではなく、元AKB48指原莉乃プロデュースの=LOVEのメンバーも加えたことだ。こうなってくると明らかにあーりんの目標はアイドル界の垣根を壊して自由に交流が可能な状態にすることにあるのではないかと思うのだ。AKBが2年連続で紅白から落ちたことで、間違いなくももクロ陣営(あーりん)はAKB48にもオファーはしたはず。さまざまな思惑もありそれは受け入れられることはなかったのだと思うけれど、すでにAYAKARNIVALにはSTU、SKE、HKTを招聘し出演させた実績、そしてパイプもあるあーりんにとっては次のターゲットが本丸ともいえるAKB48であることは間違いなく、近杯の「元カレです」はそこに向けての布石だと思うのだ。
 あーりんの企画ではファッション誌「LARME」でもモデルとして共演しているなーたんこと齊藤なぎさ=LOVE)がグループ卒業を控えていることから、彼女のソロ曲「現役アイドルちゅ〜」を一緒に歌ったが、これはももクロでいえば「だってあーりんなんだもん」に匹敵するようなガチのアイドル曲。これをデュオで歌うあーりんはとんでもない怪物ともいえそうで、衝撃的なインパクトを与えた。

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ももクロ以外の参加アイドルは?

 先に挙げた「最強アイドルメドレー」をはじめ数多くのアイドルグループ、元アイドルが参加しているのもNHK紅白と比較してのももいろ歌合戦の特徴だ。紅白の場合、アイドル系の出演者が多数いるとはいえ、そのほどんどがジャニーズ系列、坂道系、K-POP系に限られ、それ以外のグループは事実上締め出されている。これに対してももいろ歌合戦はこれまで完全に紅白から締め出されてきたももクロ以外のスターダストプロモーションの男女グループや独立系のグループに門戸を開いているのがひとつの特徴。
 そのなかでも今年の特徴はスターダストプロモーションの男性グループとしては最古参の超特急が初参加、その後輩のSUPER★DRAGON、BUDDiiSも参加。これまでは男女グループをあえて共演させない「隔離政策」を取ってきたももクロをはじめとする女性グループとの共演も全面的に解禁するかのようによりスタダ総力戦の様相を呈してきた。一方、女性グループも地元九州での他フェス参加予定があるばってん少女隊を除き、私立恵比寿中学を筆頭にこれまでグループとしての参加はなかったTEAMSHACHI、超ときめき宣伝部、いぎなり東北産、ukkaがフルメンバーでの参加、さらにCROWN POPメンバーのコロナ欠席を受けて、AMEFURASSHIもメンバー全員での参加となった。オープニングライブとしてはももクロをはじめ、いぎなり東北産、TEAMSHACHI、ukka、BUDDiiSが名刺代わりの1曲としてメドレー形式でそれぞれの持ち歌を披露した。
本編では引き続き、最初のパフォーマーとして超ときめき宣伝部も楽曲を披露するため冒頭部分はミニスタダフェスの様相を呈するかもしれない。ファンとしてはAMEFURASSHIが単独で曲の披露をできないのは悔しかったが、当初は愛来小島はなだけの参加予定であり、スタダとしての現在の評価がこの程度ということも分かった。メンバーも悔しさを乗り越えて、年明けのスタプラフェスでは躍動してみせ、シンデレラの座も獲得してほしい。
 他陣営からはももクロと同期デビューで盟友ともいえる東京女子流Avex所属)が今年も参加。「アイドルメドレー」でも活躍した。毎年本丸に向けて少しづつ近づいていっているスタプラ(元スタプラ)枠では今年は満を持して百田夏菜子の同級生でもある鈴木愛理が参加。さらに今年は指原 莉乃プロデュースの=LOVE(イコラブ)が初参加。指原、ももクロエビ中鈴木愛理といえば指原プロデュースのフェス「ゆび祭り」*1で顔を合わせた経緯もあり、個人的にはその時に鈴木がBuono!で披露した楽曲「初恋サイダー」を夏菜子、愛理を中心にぜひ披露してほしいと思っている。このようにももいろ歌合戦開催前には書いたのだが、結局「初恋サイダー」の披露はなかった。夏菜子、愛理は超特急メンバーらの男性同級生とともに「学園天国」を歌った。これも切り口は全然異なるが、アイドルファンしか知らない曲が続く今年のメドレー曲ラインナップの中ではよいアクセントとなっており、二人の掛け合いも魅力的だった。

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 アイドルと呼んでいいのかは疑問も残るがやはりなぜか紅白に呼ばれないダンス&ボーカルグループのDa-iCEが2年連続で参加してくれたのもある意味画期的なことだと思う。しかも昨年はレコード大賞受賞直後の参加となったし、今年も参加曲「スターマイン」でノミネートされている。今回は事前収録による参加となるようだがFANTASTICS from EXILE TRIBEの参加も画期的なことだと思う。

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放送日程:2022年12月31日(土)17:00〜生放送
放送チャンネル:ABEMA SPECIAL2チャンネル

『第6回 ももいろ歌合戦』
放送日程:2022年12月31日(土)
BS日テレ 19:00〜
ニッポン放送 19:00〜
※各放送メディアの終了時間は番組表をご確認ください。

【総合司会】
東京03 飯塚悟志[5]

【応援団長】
舘ひろし[3](出場辞退)

【出場者 (50音順、[]内は出場回数)】
アイドルマスター シンデレラガールズ [初]

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AMEFURASSHI(愛来小島はな鈴木萌花市川優月[2]
Anna[2]
いぎなり東北産[2]
=LOVE [初]

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石川柊太[4]
泉谷しげる[4]
五木ひろし[2]
ukka[初]
ウマ娘 プリティーダービー[2]

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オーイシマサヨシ[3]
岡田将生 [4]
オテンキ[初]
かが屋[初]
華原朋美[2](出場辞退)
氣志團[6]
CROWN POP(三田美吹、田中咲帆・里菜=出場辞退)[2]
小西成弥[初]
サイプレス上野とロベルト吉野[6]
ささきいさお[初]
THE SUPER FRUIT[初]
さだまさし[6]
塩乃華織[6]
湘南乃風[初]
笑福亭鶴瓶[6]
私立恵比寿中学[4]

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水前寺清子[6]
SUPER★DRAGON[4]
鈴木愛理[初]

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青春応援団 我無沙羅[初]
声優と夜あそび(森久保祥太郎仲村宗悟)[初]
SOPHIA [初]
Da-iCE[2]
田中将大[6]
TEAM SHACHI[初]
超ときめき♡宣伝部 [3]

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超特急[初]

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東京女子流[5]

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東京ホテイソン[2]
土佐兄弟[初]
Toshl[初]
戸田恵子[3]
703号室 [3]
西川貴教[4]
nobodyknows+[初]
Novelbright[初]
BUDDiiS [初]
播磨かな[2]
ばんばんざい[初]

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THE BEAT GARDEN[初]
ファーストサマーウイカ[3]
FANTASTICS from EXILE TRIBE[初]
ヘラヘラ三銃士[初]

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B.O.L.T(内藤るな[2]
松崎しげる[5]
松本明子[6]
ミュージカル『刀剣乱舞』刀剣男士(豊前江/桑名江/松井江/五月雨江/村雲江/水心子正秀)[初]
鈴木愛理[6]
山本譲二[初]

※一部出演者はVTRでの出演となります

*1:ゆび祭りの会場は今回と同じ日本武道館であった。

佐々木彩夏、AMEFURASSHI、浪江女子発組合。2023年新年にスタプラあーりん軍団がお台場に集結 New Year Premium Party 2023@Zepp DiverCity(TOKYO)=配信

New Year Premium Party 2023@Zepp DiverCity(TOKYO)=配信


TIF(東京アイドルプロジェクト)+@JAM共同主催のアイドルフェスにスタダのアイドル部門から佐々木彩夏率いるあーりん軍団が集結した。配信だが、パソコンの調子が悪く今朝(3日朝)ようやくライブの映像を見ることができた。佐々木彩夏が2日間連続のライブフェスのメインステージZepp DiverCityのトップバッターなのだが、これはTIF(東京アイドルプロジェクト)ではもはや恒例となっており、このライブでもそれを踏襲、さらに昨年夏同様にあーりんソロに続いて、浪江女子発組合のライブとなった。実はこの日は当初参加予定だったAMEFURASSHI、浪江のメンバーである愛来が発熱により急遽欠場(PCR検査は陰性だった)。非常に残念なことだが、浪江、アメフラともに愛来のパートは他のメンバーが埋めることでパフォーマンスをした。
浪江女子発組合は浪江で実質的に愛来とダブルセンターを務める高井千帆*1がかなりの部分の歌割りを埋める形でパフォーマンスが行われた。ただ、このグループはももクロ、AMEFURASSHI、B.O.L.Tの3グループのメンバーと専任の播磨かなにより構成されているため、活動中にもメンバーが欠けることが多いこともあって、何人かのメンバーがいない状態でのパフォーマンスに慣れていることもあり、フルメンバーとほぼ遜色がないライブが行われた。初めて見た人にはどこの部分が本来愛来が担当していたパートだったのか分からなかったのではないだろうか。
一方、AMEFURASSHIもライブのクオリティーでは4人と遜色のないライブを展開したが、最初の2曲「Rain Maker!」「From Letter」は本来は1月1日に配信したばかりの新曲「Fly Out」と最近公開したMVの再生回数いままでにない立ち上がりを見せていた「Love is love」の2連発でぶちかまして今年のロケットスタートを切ろうと用意していたのが、予定変更せざるをえなかったことを考えると残念でならず、愛来としてはコロナ感染でもなかっただけに余計悔しくてならなかったのではないかと推察する。
 それにしても今回の愛来の欠場を考えても本人に落ち度があったとも考えにくいが、AMEFURASSHIはアイドルフェスで本当についてない。満を持していた2年前のTIFが台風襲来で中止になったことをはじめ、@JAMでは小島はながコロナ感染で欠場。「JAPAN IDOL SUPER LIVE 2021」@豊洲PIT編、8th Anniversary「アイドル甲子園 in USEN STUDIO COAST」Part2もやはり小島はなのコロナ感染で欠場。こうした経緯があっての今回の愛来の欠場を考えると「どこまでついてないのよ」という気にもさせられるけれど不幸中の幸いはコロナ感染ではなかったことだ。
 AMEFURASSHIの活動予定は当面1月は14日開催のスタプラアイドルフェスしか発表になっておらず、愛来はこれには万全の体調で臨めそう。スタダ内部向けの披露とはなるが、こちらは会場が横浜アリーナで新曲2曲のアピールの舞台としてはこれ以上の場所はないのだから、そこから再びロケットスタートしてほしい。

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Zepp DiverCity(TOKYO)/フジテレビ22階フォーラム/マルチシアター

www.newyearpp.jp

*1:この日は青山なのはのコロナ感染でB.O.L.Tは出場辞退。こちらはスタプラフェスもぎりぎりかもしれない。