下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

2022年アイドル&ライブ ベストアクト(年間回顧)被災地でのももクロ春ライブ あーりんの演出光るソロコン 超進化したAMEFURASSHI

2022年アイドル&ライブ ベストアクト(年間回顧)

2022年アイドル&ライブ ベストアクト

1,ももクロ 春の一大事2022 ~笑顔のチカラ つなげるオモイ in 楢葉・広野・浪江 三町合同大会~」@福島Jヴィレッジ*1
2,佐々木彩夏ソロコン「AYAKANATION2022」@東京ガーデンシアター*2
3,AMEFURASSHI「FALL IN LOVE TOUR2022」@横浜ベイホール*3
4,ももいろクローバーZ「ももいろクリスマス2022 LOVE」さいたまスーパーアリーナ
5,有安杏果 サクライブ Acoustic Tour 2022」@大手町三井ホール*4
6,ばってん少女隊 中野サンプラザワンマンライブ『御祭sawagi〜踊れ心騒げ〜』中野サンプラザ*5
7,いぎなり東北産「TOKYO INVADER II」東京ドームシティホール*6
8,AMEFURASSHI「Drop Tour 2022」ファイナル@KANDA SQUARE HALL
9,ももいろクローバーZ「祝典ツアー」 ツアーファイナル@武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ*7
10,CROWN POP「豊洲に来て」豊洲PIT*8

 演劇ベストアクト*9に続いてアイドルライブの年間ベストアクトを選んでみた。この2つにダンスを加えた表現はいずれも総合エンターテインメントとしてパフォーマンスにおける隣接領域だと考えている*10
 とはいえ、ももクロのライブには実は単純なライブの中身以上の広がりがあり、それをどこまで広げて考えるかについては順位をつけることについては悩ましいところもある。ももクロの春ライブは「春の一大事」と題し各地方の地方自治体と提携し共同開催されるが、ももクロ 春の一大事2022 ~笑顔のチカラ つなげるオモイ in 楢葉・広野・浪江 三町合同大会~」として開催された今年の「春の一大事」は当初2020年の東京五輪を前に復興のシンボルこめられこめられ聖火のスタート地点とされたJヴィレッジという象徴的な場所で予定されていたのが、コロナ禍による二度の延期をへてようやく今春実施されることになった。

www.youtube.com

 私もモノノフ仲間が出してくれた自家用車に同乗して駆け付けたが、現地の震災と原発事故からの復興への熱い思いも感じることができたライブは単なるライブ以上の体験であった。ライブ本編に留まらず、いぎなり東北産、浪江女子発組合、B.O.L.Tが参加した外周ライブ、初日夜の浪江町での花火大会、浪江女子発組合の居残りライブと「これがももクロだ」と感じさせる魅力が随所にあり、ももクロにはももいろクローバーZ「ももいろクリスマス2022 LOVE」(ベストアクト4位)やももいろクローバーZ「祝典ツアー」 ツアーファイナル(ベストアクト9位)のようなより作りこまれたより完成度の高いライブもあったが、今年のベストにはあえて「春の一大事」を選ぶことにした。
 ライブを演劇やダンスと同様に作品だと考えるとその完成度の高さに目を見張ったのが佐々木彩夏ソロコン「AYAKANATION2022」であった。あーりん軍団としてスターダストプロモーションのアイドル部門「スターダストプラネット」所属の妹グループのアイドルを共演者に迎え、物語もあるショー仕立てのライブに自らの演出で作り上げるのが特色だ。今回は佐々木演じるあーやか姫と盗賊の手下二人(AMEFURASSHIの小島はな愛来)による怪盗あーりんの一味の暗躍がモチーフだ。このライブが年々完成度を増しているのは単なるバックダンサーの域を超えた妹アイドルらが年々その魅力を増してきていることもある。彼女らが普段のライブでは見せないような魅力を引き出すあーりんのプロデュース力、演出力の素晴らしさが大きなセールスポイントとなっているである。実は2023年はソロコンだけではなく、結成15周年を記念するツアーのプロデュースそのものをももクロ自身がプロデュースするということになっている。このライブは十中八九あーりんのアイデアが核となると思われ、そういう意味では浪江女子発組合の新たな動きとも合わせて、あーりんの活躍が一層注目されると思う。

www.youtube.com


www.youtube.com
一方、ライブパフォーマンスの中身を問題にするのであればAMEFURASSHIの「FALL IN LOVE TOUR 2022ファイナル」@横浜ベイホールがベストアクトといえる。1部2部両部に行ったが、いずれもグループの充実ぶりが分かる素晴らしいライブだった。ソールドアウトではないものの観客は両部ともほぼ満員で会場の熱気も最高潮となった。両部ともこの日初披露の新曲「Fly Out」がスタートしたのだが、ツアーの初日に披露され、ライブ当日の深夜0時に配信も開始した「Love is love」と合わせ、韓国など海外グループの楽曲にも引けをとらないような世界水準のパフォーマンスを演じた。

www.youtube.com


www.youtube.com
 有安杏果 サクライブ Acoustic Tour 2022」@東京・大手町三井ホールも素晴らしいライブであった。以前のサクライブの時は2日間のセットリストをかなり大きく変更してきたが、さすがに今回はほぼ同じ曲順の進行。ご当地カバー曲のみは前日のback number「高嶺の花子さん」からこの日はバンプオブチキン「花の名」*1となったが、杏果は男性ボーカルのバンド曲をカバーすることもけっこう多くて、やはりこういう音楽が好きなんだろうなと思った。
この日のハイライトはアレンジで空気感を大きく変えた「Feel the Heartbeat」を終えた後、感極まって涙ぐみ、曲中で客席を見て、横浜アリーナでの初めてのソロライブのことやその後起きたいろいろなことを思い出してしまったからだと涙をこらえながら述懐した場面かもしれない。
有安杏果といえば昔からパフォーマンス中によく泣くことで有名で、ももクロ初の西武ドームライブの『ももクロ夏のバカ騒ぎSummer Dive 2012 Tour』の『ワニとシャンプー』では泣きながら出てきたために歌詞がぐだぐだになって活舌の問題もあるから全く何を歌っているのか分からないほどだったが、もちろんこの日はそういうことはなく、プロとしてちゃんと歌い終わった後でMCに入って溢れ出る感情が抑えきれなくなった感じであったが、クールなパフォーマンスを見せてもこういう感性が健在なのを嬉しく思った。
実は独立してソロになってからもピアノ演奏がうまくいかなかった時に涙してしまい感情が不安定なんじゃないかと心配させたこともあったのだが、この日の涙はどちらかというと「あの日があって、そして満席の観客を見て、私はここまでやっと来られた」という感極まった涙で、ネガティブなものではなく、会場の観客も共感したのじゃないか。
ももクロ時代のことにはあまり触れないけれど、逆にももクロ時代のソロコンのことには饒舌なほど触れていて、ソロアーティスト有安杏果の原点はあの横浜アリーナでのソロコンスタートにあったということがよく分かるMCで、あの時にその場に立ち会ったものとしても感慨深いものがあった。

*1:simokitazawa.hatenablog.com

*2:simokitazawa.hatenablog.com

*3:simokitazawa.hatenablog.com simokitazawa.hatenablog.com

*4:simokitazawa.hatenablog.com

*5:simokitazawa.hatenablog.com

*6:simokitazawa.hatenablog.com

*7:simokitazawa.hatenablog.com

*8:simokitazawa.hatenablog.com

*9:simokitazawa.hatenablog.com

*10:ダンスの関係者には腹を立てる人がいるかもしれないが、特にダンスとある種のアイドルライブ=例えばももいろクローバーZやAMEFURASSHIのライブ=を見る時の見方は私には区別がない。

2022年演劇ベストアクト (年間回顧) 生きていく辛さ描く作品増える コロナ禍3年目の閉塞感反映か

2022年演劇ベストアクト (年間回顧)


 年末恒例の2022年演劇ベストアクト を掲載することにする。さて、皆さんの今年のベストアクトはどうでしたか。今回もコメントなどを書いてもらえると嬉しい。

 コロナ感染による日常生活への影響が出始めてから3年が経過。演劇への影響ではほとんどの公演ができない状況に追い込まれた時期とは違い十分な感染対策を実施すれば、公演自体は徐々に通常の客席数で可能になったが、演劇作品の中身を考えるとコロナ禍は現代演劇の流れに大きな影を落としたことは間違いなさそうだ。

 今年に入ってからが特に顕著だが、生きていくことの辛さをモチーフにした演劇が若手演劇作家の作品で増えてきているように感じる。綾門優季作の青年団リンク キュイ「あなたたちを凍結させるための呪詛」のようにコロナ禍の世界を直接描く場合もあるが、同性愛者に対する社会的な抑圧を描いたムニ「ことばにない 前編」(宮崎玲奈作演出)、精神疾患をかかえた人たちを描いたいいへんじ「薬をもらいにいく薬」「器」、お布団「夜を治める者」、不況のもと貧困に苦しむ若者を描いた小田尚稔の演劇「よく生きろ!」など作品の多くはコロナそのものを描くのではなく、描かれた世界での生き辛い状況を描き出すことでコロナ禍の閉塞された状況をそこに仮託しようとしているようにも感じた。

 上記の中でも今年を代表する作品としてムニ「ことばにない 前編」*1を選ぶことにした。世間の差別に晒される同性愛者(レズビアン)というともすれば重く感じられる主題を取り扱いながらも、作品自体は楽しめるものにちゃんと仕上がっていて、上演時間4時間半、しかもこれがまだ作品の前半部だけの長尺ということも含めてエイズ禍のもとでの米国の同性愛者らを描いた「エンジェルズ・イン・アメリカ*2を連想させた。宮崎玲奈は2021年のベストアクトでも「東京の一日」を取り上げ、「現代口語演劇という現在の若手演劇のメインストリームに現れた俊才」などと評したが、才能は否定できないが、作品は小ぶりでマイナーポエット的な印象は否定できなかった。ところが主題の方向性もあるだろうが、この「ことばにない」は骨太で様々な要素を併せ持つきわめて豊饒な作品。演出を変えればシアターコクーンのような中規模以上の劇場でも十分上演可能ではないかと思わせた。「エンジェルズ~」を意識したような娯楽性もあった。来年後半に上演が予定されている後編がどんなものになるのか。いまからすでに期待が高まっている。
 
 青年団リンクキュイ「あなたたちを凍結させるための呪詛」(綾門優季作・松森モヘー演出・出演)*3もコロナ禍の若い女性の心象風景を描き出した傑作だ。上演時間4時間超のムニ「ことばにない 前編」とは対極的に松森モヘーによるひとり芝居であり、上演時間はわずか40分であった。いずれの作品も青年団演出部の若手劇作家による公演であり、通常の興行形態では上演が困難なこのような作品を集団の単独公演として上演可能としたのはこまばアゴラ劇場、アトリエ春風舎という自前の劇場を活用した青年団ならではのこととも言えるのではないか。昨今の閉塞した社会状況のもと会社での人間関係にも悩んでいるところをコロナにも感染してしまう若い女性のモノローグによる作品は現在の世相をビビッドに捉えたもの。短い作品だが観劇体験としては濃厚な満足感が得られた。
 
 綾門優季作品はしあわせ学級崩壊「リーディング短編集#2」(演出・音楽・演奏 僻みひなた)*4でも多重人格の無差別殺人者をモノローグで描いた「蹂躙を蹂躙」が上演され、これも忘れ難いインパクトを残す作品であった。「リーディング短編集#2」では僻みひなたのオリジナル音楽に触発されて劇作家4人が新作一人芝居を書き下ろしたテキスト(戯曲)を4人の俳優が演じるというもので、音楽とシンクロした高揚感はこの舞台ならではのもので期待度の高さもあったのだが、公演後すぐに劇団の解散が発表され、公演以上の衝撃を受けたのであった。特に綾門優季の戯曲と僻みひなたの音楽・演出はシンクロ度が高く、もう少し長いほかの作品も見てみたいと思ったこともあり、劇団が解散するだけではなく、僻みひなたが演劇・音楽活動を休止するらしいことを聞き及んだが、残念でならない。
 山崎彬の新作である悪い芝居「愛しのボカン」*5は明らかにここ最近山崎が手掛けてきたものとは毛色が違う異色作だった。物語は主人公格の明日野不発(赤澤遼太郎)が渋谷駅から下北沢駅に向かう途中で岡本太郎による巨大な壁画「明日の神話」=写真下=に出会うところから始まる。

 この作品には「ボカン」と呼ばれている芸術行為を遂行している奇妙な芸術集団が登場するのだが、彼らの行為は前衛芸術家であった岡本太郎の芸術論がかなり深い関係で組み込まれている。作品全体も岡本太郎へのオマージュといっていいものになっている。それを「ボカン」と名付けたのは往年のコマーシャルで岡本太郎自身が自ら発言して、タモリらが物真似で揶揄的に捉えた「芸術は爆発だ」という一種の芸術論からなのだろうと思う。
当日パンフで山崎は「引用および参考文献」として「壁を破る言葉」「自分の中に毒を持て」「自分の運命に楯を突け」「自分の中に孤独を抱け」などの岡本の著書と平野暁臣の「岡本太郎の仕事論」を挙げている。
「ボカン」という集団は演劇や映画のように映画館や劇場で観客に対して作品を発表するのではなく、日常空間での芸術行為を通じて世界を変えていこうとしていく一種のユートピア思想のようなことを行おうとしているのだが、岡本太郎とこれらの芸術行為との関係は一度の観劇だけではよく分からない点も多かった。
 それというのも岡本太郎は渋谷の壁画(もともとは海外向けに提供された作品だったが)をはじめ多くのパブリックアートに精力を注いだ人というのは間違いないが、ここで「ボカン」の例として示される「喫茶店で不和なカップルの喧嘩の演技をし続ける」とかのハプニング的行為は美術としてみれば60年代の現代美術でよく見られたもので、演劇側から見ればむしろ寺山修司を連想させるのであって、岡本との関係は薄いからだ。
 いずれにせよ山崎がコロナ禍で世間の演劇への無関心あるいは冷淡さの中でマイナージャンルの演劇の世界で少数の演劇好きだけが集まって作品や俳優のいい悪いを評価するような状況というのは単なる自己満足にすぎないのではないかと実感させられたことが「愛しのボカン」の制作の大きな動機となっているのではないか。
 山崎のこれまでの作風はどちらかというと「いかにも演劇らしい演劇」であって「演劇についての演劇」とかメタシアター的な構えの作品はあまりなかった。それだけに今回のこれが演劇のモチーフとしての一過性のものなのか、作風の変貌の端緒となるものなのかには注目していきたい。
 この作品は構成的にも興味深い。後半部分がほぼまるごと劇中劇として本多劇場で芸術集団「ボカン」が上演している演劇という体際になっているからだ。しかも、最後まで悪い芝居「愛しのボカン」としてのカーテンコールはなくて、役者紹介も役名のまま、公演主体の紹介も劇中劇の中のものとなっていて、そのまま舞台は入れ子の外側に戻ることはなく終了してしまう。
 不可解に思ったラストシーンだが、この舞台には作品の外枠がないという演出。そしてそうすることで、これは悪い芝居による演劇の公演ではなく、あくまで「ボカン」による本多劇場公演であり、それはいまでも続いている。三度もカーテンコールを受けながら、出演者が名乗るのは毎回登場人物の役名で、役者の名前も悪い芝居の名前も一度も名乗らない。それほど徹底的なこだわりを見せたラストはここで行われていたことは単なる舞台上の出来事ではなく、いまも「ボカン」はそこここで行われている。そういうメッセージなんだなというのがはっきり理解できた。
 「ボカン」というのが何かと考えて浮かび上がってきたのは「ボカン」というのは要するに山崎彬自身そして悪い芝居のことなのではないかということだ。
 京都の大学で演劇サークルの先輩に「演劇で世の中を変えてみないか」と誘われて演劇サークルに入ったという話は何かどのように演劇を始めたかというインタビューで山崎自身の体験として聞いたことがある。そう考えてみると、受からないオーディションを受け続ける俳優、壁にぶち当たって自分の進む道が分からずもがく元アイドル……。ここに登場する人物は皆そのまま描いているわけではないけれど悪い芝居の活動を通じて山崎彬が出会った人々がモデルなのではないか。「ボカン」というのはこうなったらいいなと山崎が考える「幻想のもうひとつの悪い芝居」なのかもしれない。だからこの世界には悪い芝居は登場しないし、カーテンコールで現れることもないのだ。
 木皮成が率いるダンスカンパニーデペイズマンゲーテの「ファウスト」を原案に舞台作品化したのが「#FAFAFA - ファウストだ。全体として二部作構成となっているが、そのうち第一部を原作としたのがこの日上演された「#FAFAFA - ファウスト」であり、第二部を原作とした一人芝居「Like Dream and Dreams (ゆめみたい)」と対となる構成となっている。
ダンスシアターとしてはメフィストフェレスファウストマルガリータ(グレートヒェン)の三役がいずれも台詞を朗々と発話するパフォーマーと動きを担当するダンサーの二人一役になっていて、音楽と言葉で作品の筋立てを構築していくDJ役の丹野武蔵がリアルタイムで絡んでいく三重の構造となっている。これは明らかに宮城聰(SPAC)がク・ナウカ時代に編み出した演出手法を踏襲したものと思われるが、この両者には言葉は発しないがマイム的な演劇表現を行いスピーカーと対峙する宮城作品のムーバーに対して、音楽や発話とシンクロしながら踊るダンサーがそこに置かれることで、音楽、発話、ダンスのそれぞれの時間軸での関係がより密接かつタイトなものとなっているように見えた。
 この作品は元来は第一部は木皮成が作品化、国際共同制作として第二部は海外の演出家が制作することを構想したものであったため、ワークイン・レジスタンスを行った和歌山県で行った試演会的な性格の初演では、映像を見る限りはよりノンバーバルな表現を重視したものとなっていたが、今回のこまばアゴラ劇場での上演を前に大幅に改作。より、演劇的な要素が色濃い作品に仕上がった。
 老ファウストならびにファウストの声を担当した萩原亮介[文学座]をはじめスピーカーにはベテランで語りの技術がある俳優を起用した手堅い配役ではあったが、パフォーマーでは動きを担当したダンサー三人がよかった。
 ダンスにおけるムーブメントは木皮がもともと得意とするストリートダンス系の動き、モダンバレエの動き、コンテンポラリーダンス的な動きを取り混ぜたものとなっている。
 特にヒロインのグレーテヒェンを演じた渡邉未有がバレエの技法に加え、天井から垂らされた赤い布を活用してのアクロバティックな振り付けなども取り入れ、可憐なヒロインを印象的に演じた。一方、若きファウスト役を女性ダンサーの高下七海が演じたキャスティングも魅力的であった。
マレビトの会の松田正隆が1990年代に書いた戯曲を玉田真也が演出し上演した玉田企画「夏の砂の上」も優れた舞台成果といえるだろう。この作品は初演(1998年)が平田オリザ演出の青年団プロデュースによる上演。松田正隆×平田オリザのコンビとしては名作の誉れの高い「月の岬」に続く作品で、初演時の印象は前作の「月の岬」があまりにも素晴らしい舞台であったがゆえにやや物足りない印象を受けた。だが、今回ひさびさに上演された舞台を見てみると、この時代の松田正隆の戯曲の完成度の高いに改めて驚かされた。

 松田の初期作品の登場人物はいずれも心の闇を背負っていて、その背後には隠蔽された「死」がある。「月の岬」ではそれは兄妹が幼少のころに海で亡くなった父親の死があり、それは岬に伝わる伝説という神話的なモチーフにより隠蔽されていた。この「夏の砂の上」では4歳で亡くなった息子の存在がある。その詳細は最後まであからさまに語られることはないけれど、隠されているということもなく、基調低音のように作品全体を覆っている。
 長崎では1982年(昭和57年)夏に長崎大水害と呼ばれる豪雨による災害があった。「夏の砂の上」はそれを背景とした物語だ。坂の上の家に住む長男(奥田洋平)のもとに娘(祷キララ)を連れた妹(浅野千鶴)が訪ねてくる。娘と二人で(おそらく東京で)暮らしていたが、博多でやる店(スナック?)を手伝うことになったので、娘をしばらく預かってくれというのだ。その日たまたま男の妻(坂倉奈津子)は息子の位牌(いはい)を取りにやってきてたのだが、二人は別居していて離婚はしていないものの関係はすでに破綻している。その理由ははっきりとは示されないが、水害の時の自己で当時4歳だった息子が流されてしまい、目を離したすきになんでそんなことになったのかと互いに自分をそして時には相手を責め、それが夫婦の関係崩壊の引き金になったことが次第に浮かび上がる。
 とはいえ、それはあくまで物語の前段であり「夏の砂の上」で描かれるのはひょんなことから一緒に暮らすことになる男と姪の奇妙な関係の顚末である。姪は男の留守中にコンビニでのバイト仲間を家に連れ込んで誘惑しようとしたり、男関係に奔放な母親を受け継いでいるところもあるのだが、具体的な行為としてはほとんど何もないのだけれど、この二人の間には何か単純に親戚の家にいて同居しているというだけではない一種の疑似恋愛的というか不思議な空気感が生まれてくる。「月の岬」で隠されたメインテーマとなった父親と娘の失われた関係が姉弟の近親相姦的な関係に仮託されたのと同様に幻の父親と叔父を重ねて、エレクトラコンプレックス的な父親への感情が叔父に向けられたのかもしれない。
 物語の最後では母親と一緒にこの家から姪が出ていってしまうことが、男が再就職で務めていた料理店を左手の指を切断した事故により馘首されてしまったことが観客に告げられる。なんともいえない幕切れで観客は本当にやり切れない気持ちになるのだ。
 不思議なのはたぶんもうすでに亡くなっているのではあろうが、母親の男のエピソードは出てきても彼女の父親のことには松田はいっさい触れようとしないことだ。作品を支配するのはだるいまでの夏の暑さ。真冬の1月の北千住 BUoYの地下にある劇場であるのに上演が終わるまでにはそこが真夏でけだるい暑さであったような錯覚を覚えたほどだ。
 とは言え、24年と言う遥かな時をへて、いま思い起こすと初演の「夏の砂の上」は筋立てなどは漠然としていて、この作品がデビュー作となった少女役を演じた占部房子の鮮烈なイメージが残された記憶のほとんどなのであった。今回はその役を祷キララが演じたが、こちらも何を考えているのが分からない男にとっては不思議な存在としてそこにいることが出来ているように思われた。かすかな記憶をたどれば占部房子の演じた少女はもう少し幼いというか純真な印象も強く、その分、松田正隆のあるいは平田オリザの脳内にしか存在しない様な人物に思えたのに対し、祷キララはもう少し大人っぽく、東京にも普通にいそうにも思えるところがある半面、そころどころで垣間見せる女性特有の媚態のようなものは玉田真也の脳内妄想にしかいない人物のようなところがある。ただ、「いわく言い難い存在感」は甲乙つけがたいものがあり、私がその時まで生きていられるどうかを別にしてもう二十年もたって思い起こせば祷キララが出ていた舞台ということで思い出してしまうのかもしれない。
 玉田真也が松田正隆作品を演出するという話を聞いた時には第一印象では意外な組み合わせと感じたが、この舞台を見て思ったのはこの二人は相性がいい、ということだ。平田オリザ松田正隆とのコンビで「月の岬」という最高傑作を生みだしたが、ともに現代口語の群像劇の名手という共通点を持っており、松田が自分で演出するというのでなければ最高のパートナーとも思ったが、「夏の砂の上」の後、「雲母坂」「天の煙」と続いたところで次第に双方の演劇観の違いが露わになり、この組み合わせの解消に至った。
 その後は松田正隆の旧作品を演出するのはほとんどが新劇系の演出家で、丁寧に演出すれば戯曲に力があるのでそれなりによい舞台にはなるが、新劇出身の演出家には松田作品に登場する戦争、原爆、キリスト教などの政治的なモチーフに引っ張られがちで、原作の持つ松田独特の気まずさのおかしみを含んだ空気感を再現できず、ストレートな問題劇のようなものにひきつけがちだった。玉田演出ならびに今回出演した俳優陣はそういう勘所をうまく具現化していて、もちろん玉田にとっては松田作品の演出は本線にはならないことは分かったうえで、「紙屋悦子の青春」「坂の上の家」「海と日傘」に長崎三部作や玉田版の「月の岬」もいつか見てみたいと思った。さらにこれはもっと妄想に近い願望だが、青年団演出部の演出家たちにより、平田×松田のコンビでかつて上演された作品を連続上演するという企画はどうだろうか。群像会話劇のみの手法では上演が困難だった「雲母坂」「天の煙」も多田淳之介や松井周の手によればより優れた演劇作品となる可能性を感じるし、「月の岬」を宮崎玲奈らより若い世代の演出でも見てみたいとも思った。
 今年はコロナ禍で中止になった公演の復活上演が目立ったがHANA'S MELANCHOLY 『風-the Wind-』(シアター風姿花伝)もそういう1本。HANA'S MELANCHOLY は劇作・一川華、演出・大舘実佐子という2人の女性コンビによる演劇ユニットである。これまでその作品を年間ベストアクトに取り上げるなど注目してきた集団だ。
 性(ジェンダー)を含む社会性の高い問題に切り込み、直接アニメなどとの関連性はないが、その作品自体はリアリズムというよりは2・5次元演劇的なエンタメ性も感じさせる作りともなっているのが特徴。一方で物語性を重視した骨太な作りなど最近の小劇場演劇の流れとは一線を画した動きを注目してきた。
 現実と非現実が地続きのように描かれる演劇は最近珍しくはないけれども、この集団の場合、その描き方に他にはないような特徴を感じる。現実と非現実という書き方をしたが、『風-the Wind-』では現実として描かれるのが、背中の痣にコンプレックスを持つ女性が背中に竜の入れ墨を入れるために風俗店で働くことにするが、入れ墨のせいで客からクレームが入り、店での評価が大幅に下がり、性行為の対価としての賃金を大幅に下げられてしまう。風俗と入れ墨というあまりリアルな形では演劇で取り上げられることは珍しい主題を正面から取り上げて、性行為などの場面を正面から描くということはないけれども取材を基にある程度リアルな筆致でそれを描き出している。
一方で主人公の女性は店の電話にかかってくる謎めいた電話でアフリカに住んでいて、性器切除などの女性の尊厳を侵犯する行為を強制される女性と不思議なつながりを持つことになる。アフリカの女性からの電話が突然風俗店のウエイティングルームの連絡内線に入ってくるなど、実際にはありえないことが中盤以降相次いで起こる。アフリカの出来事と風俗店の女性が自らの身体に入れ墨を入れる行為は身体を人為的に傷つけるという意味では共通点があり、響き合っているともいえるが、それを強引に結びつけてしまうということには論理的な整合性というよりはイメージによる連鎖という側面が強く、観客である私にとってはそれがもやもやとしてしまうことでもあり、自分とかけ離れた発想という点では面白くも感じた。
 流山児★事務所「美しきものの伝説」は若さのエネルギーに満ちた素晴らしい舞台だった。「美しきものの伝説」は68年に初演された作品で大杉栄クロポトキン)、伊藤野枝アナーキスト無政府主義者カップルを中心に平塚らいてうモナリザ)ら青鞜社の女性運動家、島村抱月(先生)、松井須磨子小山内薫(ルパーシカ)ら日本近代演劇の始祖らを描いた群像青春劇だ。
 作者である宮本研は日米安保反対闘争に向けて立ち上がった当時の学生運動家らや従来の新劇に飽き足らず運動を起こした演劇人たちの姿を大杉栄伊藤野枝らと合わせ鏡のように描き出したと思われる。それが今回の流山児★事務所の上演(演出:西沢栄治)ではそうしたいずれの革命の季節も過ぎて、鬱屈している現代の若者のイメージと3つの時代を重ね合わせて、時代によって変わるもの、変わらないものを浮かび上がらせて、観客の前に見せてくれている。
 大正の時代を描いてはいるが上の舞台写真を見てくれれば明らかなように出演俳優らは衣装や髪型などは現代のファッション(あるいは時折初演当時の60年代後半)を思わせるものとなっている。そして、彼らの話す話題や口調は実際の著作や彼らが議論していたかもしれない言葉ではあるが、その口調は学生運動の闘士らが熱く語ったような語り口を髣髴とさせるものでもある。
 こうした意識的なごちゃまぜが現代に生きているかのように歴史上の人物をそこに存在させる臨場感を生み出しているのだ。冒頭近くのシーンでゲバ棒を持った白ヘルの運動家を「国葬・反対」のプラカードを持つ人を混在させる導入部はなかなか巧みであった。
 宮本研は新劇畑の人と言ってよく、この「美しきものの伝説」も文学座によって初演されている。そういうこともあって最近も文学座、文化座、俳優座、民芸、青年座、東演、青年劇場の七劇団による新劇交流プロジェクトによる上演など新劇系の劇団による上演が多いが、実は私が最初にこの作品を見たのは演劇祭典・京でのマキノノゾミ演出の上演。阪神大震災からほどない時期に上演されたこの時は最後に松任谷由実の「春が来た」とともに無数の桜の花びらが劇場を埋め尽くしたのが印象的で、まだ記憶に新しかった阪神大震災を本作最後に描かれる関東大震災と重ね合わせたような演出だったのではないかと記憶している。
 実はそれまでつかこうへい作品からの影響が非常に強かったマキノノゾミはこの「美しいものたちの伝説」の演出を手掛けた後に大きく方向を転換。岡本かの子を描いた「KANOKO」や「フユヒコ」、「東京原子核クラブ」など評伝劇的要素が強い群像劇に舵を切り、それに「美しいものの伝説」の上演が大きく影響を与えていることがうかがえる。
さらにいえば平田オリザもこの作品では描かれなかった大杉栄伊藤野枝の最後の日々の日常を淡々と描いた「走りながら眠れ」、大正期の文学者の群像を描いた「日本文学盛衰史」を創作しているが、どちらもこの作品が書かなかったことを描いており、その意味でこの作品を強く意識していることは間違いない。
小田尚稔の演劇「よく生きろ!」@こまばアゴラ劇場は群像劇だが、コンビニで働きながら廃棄食品をもらってくることでかろうじて生き延びている女性や仕事を失い、家賃未納で路上生活者になってしまう男たち、過去に起きた出来事の精神的なトラウマで生きていくことの困難を抱え込んでしまった女性……など現代社会の共同体から排除されている人々の群像を描き出していく。
 小田尚稔の演劇「よく生きろ!」も冒頭に書いた今年の空気感とシンクロする作品だった。これまでの小田尚稔の代表作としては東日本大震災の時の東京を描いた『是でいいのだ』(2016)があったが、この時の登場人物には様々な困難を抱えながらも仕事を探すための努力をしたり、それこそ新宿から家がある国分寺まで歩いて帰ろうとしている女性など苦境の中にも希望を描こうとしていた感があった。その後の10年で日本の若者が貧困化し、先の展望も抱きにくくなったような現状を反映してか、この「よく生きろ!」ではいつ世界の網の目からこぼれ落ちて、姿を消してしまってもおかしくない人たちの姿が実感を持って描き出されており、それは作者本人の置かれた状況の変化も反映されているのではないかとも感じた。
 平田オリザタイプの群像会話劇の弱点は登場人物の内面がいっさい語られないことで、随分前に平田にそのことを「この方法論だと表現できないことがあるのではないか」と問いただしたことがあるのだが、その時の平田の答えは「表現できないものに興味はない」というものだった。
 小田尚稔はモノローグのひとり芝居を連鎖させることで、登場人物に内面を吐露させる方法論でスタートしたが、この「よく生きろ!」では会話劇とモノローグ劇の形式をうまくミクスチャーさせて、オリジナルな群像劇の形式に到達した感がある。
 そして「オリジナルな」と書いたのだが、この作品を観劇しながら「よく生きろ!」がある作家のことを連想させることに気が付いた。その作家は小田尚稔とは生まれた時代も国も違うけれど、その表現はその時代のその国の社会に生まれていた先が見通せない絶望的な閉塞感を見事に描き出した。
 思わせぶりな書き方をしたが「ある作家」というのはアントン・チェホフだ。小田尚稔が描き出した現代日本の若者が抱く絶望的な閉塞感は100年以上前のロシアでチェホフが描き出した空気感と妙に呼応するところがある。そういうことを感じるに至ったのは「よく生きろ!」で何度も繰り返される「生きていかなくちゃ……」というセリフが「三人姉妹」のセリフを想起させるのがきっかけ。ただ、「よく生きろ!」で到達した小田尚稔のスタイルが会話劇でありながら、随所にモノローグにも近いセリフが挿入されるようなチェホフの作劇スタイルと共通点を感じたこともある。
 小田尚稔は哲学書など特定の著作にインスパイアされて作品を作ることが多い。この作品でも岩田靖夫『よく生きる』が引用されている。チェホフに関して言うのならそうした意図的な引用はなされてないとも思われるのだが、物語の中で重要なモチーフとなっている近くにある湖の存在とかチェホフのモチーフと重なり合うところはあり、100年の時を超えてロシアと日本の生きづらさが二重写しになってくるのだ。
 最後に今年を代表する舞台成果として多くの人が劇団チョコレートケーキの戦争演劇6作品一挙上演*6*7を取り上げるだろうことは想像される。そうした企画が私が好んで紹介するような演劇とは違うとしても全作品を通して見て、これを無視することは出来ないと考えた。

2022年演劇ベストアクト
1,ムニ「ことばにない 前編」(宮崎玲奈作演出)駒場東大前こまばアゴラ劇場
2,青年団リンクキュイ「あなたたちを凍結させるための呪詛」(綾門優季作・松森モヘー演出・出演)@アトリエ春風舎
3,悪い芝居「愛しのボカン」(山崎彬作演出)本多劇場
4,しあわせ学級崩壊「リーディング短編集#2」(演出・音楽・演奏 僻みひなた)@神楽音
5,玉田企画「夏の砂の上」@北千住BuOY
6,ダンスカンパニーデペイズマン「#FAFAFAファウスト」(木皮成演出)駒場東大前こまばアゴラ劇場
7,劇団チョコレートケーキ「戦争劇6作品連続上演」東京芸術劇場
8,HANA’S MELANCHOLY「風ーthe Windー」@シアター風姿花伝
9,流山児☆事務所「美しきものの伝説」@下北沢シアターBe1
10,小田尚稔の演劇「よく生きろ!」*8駒場東大前こまばアゴラ劇場

*9 *10 *11*12*13 *14 *15 *16 *17 *18 *19 *20 *21 *22 *23 *24 *25
simokitazawa.hatenablog.com

simokitazawa.hatenablog.com

*1:simokitazawa.hatenablog.com

*2:

*3:simokitazawa.hatenablog.com

*4:simokitazawa.hatenablog.com

*5:simokitazawa.hatenablog.com

*6:https://simokitazawa.hatenablog.com/entry/2022/08/16/020136

*7:simokitazawa.hatenablog.com

*8:simokitazawa.hatenablog.com

*9:2019年演劇ベストアクトhttps://simokitazawa.hatenablog.com/entry/2019/12/31/000000

*10:2018年演劇ベストアクトhttp://simokitazawa.hatenablog.com/entry/2018/12/30/145529

*11:2017年演劇ベストアクトhttp://simokitazawa.hatenablog.com/entry/2017/12/30/010000

*12:2016年演劇ベストアクトhttp://simokitazawa.hatenablog.com/entry/20161231/p1

*13:2015年演劇ベストアクトhttp://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20151231

*14:2014年演劇ベストアクトhttp://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20141231

*15:2013年演劇ベストアクトhttp://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20131231

*16:2012年演劇ベストアクトhttp://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20121231

*17:2011年演劇ベストアクトhttp://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20111231

*18:2010年演劇ベストアクトhttp://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20101231

*19:2009年演劇ベストアクトhttp://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20091231

*20:2008年演劇ベストアクトhttp://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20081231

*21:2003年演劇ベストアクトhttp://www.pan-kyoto.com/data/review/49-04.html

*22:2004年演劇ベストアクトhttp://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/200412

*23:2005年演劇ベストアクトhttp://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20060123

*24:2006年演劇ベストアクトhttp://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20061231

*25:2007年演劇ベストアクトhttp://d.hatena.ne.jp/simokitazawa/20071231

【ももいろ歌合戦見どころ紹介】『第6回 ももいろ歌合戦〜50組以上の超豪華出場者と年越し8時間無料生放送〜』@AbemaTV

『第6回 ももいろ歌合戦〜50組以上の超豪華出場者と年越し8時間無料生放送〜』@AbemaTV

すでに始まっているコロナとの戦い

応援団長としてオープニングを飾る恒例のミニドラマに出演するはずだった舘ひろしがコロナ陽性により出演辞退、出演者の華原朋美も濃厚接触で辞退、さらにももクロ妹グループのCROWN POPからも2人が陽性辞退ですでに準備段階から風雲急を告げる出来事が頻発している第6回 ももいろ歌合戦だが、それでも随所に見どころがあるライブになりそうだ。豪華な出演者にも注目だが、それ以上に本編以上に制作陣が力を注いでいるという「最強アイドルメドレー」「世代を超えたアニソンメドレー」が楽しみでならない。期待をより高めるための刺激として、12月30日までの期限付きで公開されている昨年の両コーナーを見返してみたら、それだけで夜更かししてしまい現在明け方になってしまった。改めて気が付いたのはそれぞれがバックダンサーのダンス振付まで細かく作りこまれていることが分かった。昨年のアイドルメドレーで度肝を抜かれたのはAMEFURASSHIの小島はなをセンターに置いて、BOYS&MEN、SUPER★DRAGONという2つの男性グループがカバーしたBTSの「BUTTER」。あーりんをセンターにスタダの後輩と東京女子流メンバーらが完全生歌で披露したAKB48の「根も葉もrumor」も話題を呼んだ。今年はどのような隠し玉があるのだろうか。

タイムスケジュールでは明らかにならなかったが出演が決まったささきいさお。昨年に引き続いてのオーイシマサヨシもアニソンメドレーでは歌ってくれるはずだが、それぞれ何を歌うのだろうか。NHK紅白に出るウタ「新世界」も誰かがカバーするはずだが、今年はこの人気の楽曲を誰が歌うのだろうか。本命は昨年「鬼滅の刃」の主題歌「炎」を歌ったファースト・サマー・ウイカだろうと思うが、鈴木愛理も動画サイトでカバーしており対抗馬として有力。個人的な希望ではAMEFURASSHIの小島はなにぜひ歌ってほしいが、そこまでの抜擢は難しいかもしれない。戸田恵子森口博子も当然こちらでも何かを歌うはずで、候補にはことかかないはずなのでこちらはどの曲を歌うかにも注目したい。

ももクロ以外の参加アイドルは?

 先に挙げた「最強アイドルメドレー」をはじめ数多くのアイドルグループ、元アイドルが参加しているのもNHK紅白と比較してのももいろ歌合戦の特徴だ。紅白の場合、アイドル系の出演者が多数いるとはいえ、そのほどんどがジャニーズ系列、坂道系、K-POP系に限られ、それ以外のグループは事実上締め出されている。これに対してももいろ歌合戦はこれまで完全に紅白から締め出されてきたももクロ以外のスターダストプロモーションの男女グループや独立系のグループに門戸を開いているのがひとつの特徴。
 そのなかでも今年の特徴はスターダストプロモーションの男性グループとしては最古参の超特急が初参加、その後輩のSUPER★DRAGON、BUDDiiSも参加。これまではあえてあまり共演させない隔離政策を取ってきたももクロをはじめとする女性グループとの共演も全面的に解禁するかのようによりスタダ総力戦の様相を呈してきたところがある。一方、女性グループも地元での他フェスに参加の予定があるばってん少女隊を除き、私立恵比寿中学を筆頭にこれまでグループとしての参加はなかったTEAMSHACHI、超ときめき宣伝部、いぎなり東北産、ukkaがフルメンバーでの参加、さらにCROWN POPメンバーのコロナ欠席を受けて、AMEFURASSHIもメンバー全員での参加となった。オープニングライブとしてはももクロをはじめ、いぎなり東北産、TEAMSHACHI、ukka、BUDDiiSの名前が挙げられており、フルではないにしてもメドレー形式でそれぞれの持ち歌を披露するはずだ。本編では引き続き、最初のパフォーマーとして超ときめき宣伝部も楽曲を披露するため冒頭部分はミニスタダフェスの様相を呈するかもしれない。
 他グループからの参加組ではももクロと同期で盟友ともいえる東京女子流が今年も参加。従来通りなら彼女らは「アイドルメドレー」にもフル参加するはず。毎年本丸に向けて少しづつ近づいていっているスタプラ(元スタプラ)枠では今年は満を持して百田夏菜子の同級生でもある鈴木愛理が参加。さらに今年は指原 莉乃プロデュースの=LOVE(イコラブ)が初参加。指原、ももクロエビ中鈴木愛理といえば指原プロデュースのフェス「ゆび祭り」*1で顔を合わせた経緯もあり、個人的にはその時に鈴木がBuono!で披露した楽曲「初恋サイダー」を夏菜子、愛理を中心にぜひ披露してほしいと思っている。

www.youtube.com
 アイドルと呼んでいいのかは疑問も残るがやはりなぜか紅白に呼ばれないダンス&ボーカルグループのDa-iCEが2年連続で参加してくれたのもある意味画期的なことだと思う。しかも昨年はレコード大賞受賞直後の参加となったし、今年も参加曲「スターマイン」でノミネートされている。今回は事前収録による参加となるようだがFANTASTICS from EXILE TRIBEの参加も画期的なことだと思う。

www.youtube.com

放送日程:2022年12月31日(土)17:00〜生放送
放送チャンネル:ABEMA SPECIAL2チャンネル

『第6回 ももいろ歌合戦』
放送日程:2022年12月31日(土)
BS日テレ 19:00〜
ニッポン放送 19:00〜
※各放送メディアの終了時間は番組表をご確認ください。

【総合司会】
東京03 飯塚悟志[5]

【応援団長】
舘ひろし[3](出場辞退)

【出場者 (50音順、[]内は出場回数)】
アイドルマスター シンデレラガールズ [初]

www.youtube.com

AMEFURASSHI(愛来小島はな鈴木萌花市川優月[2]
Anna[2]
いぎなり東北産[2]
=LOVE [初]

www.youtube.com

石川柊太[4]
泉谷しげる[4]
五木ひろし[2]
ukka[初]
ウマ娘 プリティーダービー[2]

www.youtube.com

オーイシマサヨシ[3]
岡田将生 [4]
オテンキ[初]
かが屋[初]
華原朋美[2](出場辞退)
氣志團[6]
CROWN POP(三田美吹、田中咲帆・里菜=出場辞退)[2]
小西成弥[初]
サイプレス上野とロベルト吉野[6]
ささきいさお[初]
THE SUPER FRUIT[初]
さだまさし[6]
塩乃華織[6]
湘南乃風[初]
笑福亭鶴瓶[6]
私立恵比寿中学[4]

www.youtube.com

水前寺清子[6]
SUPER★DRAGON[4]
鈴木愛理[初]

www.youtube.com

青春応援団 我無沙羅[初]
声優と夜あそび(森久保祥太郎仲村宗悟)[初]
SOPHIA [初]
Da-iCE[2]
田中将大[6]
TEAM SHACHI[初]
超ときめき♡宣伝部 [3]

www.youtube.com

www.youtube.com

超特急[初]

www.youtube.com

東京女子流[5]

www.youtube.com

東京ホテイソン[2]
土佐兄弟[初]
Toshl[初]
戸田恵子[3]
703号室 [3]
西川貴教[4]
nobodyknows+[初]
Novelbright[初]
BUDDiiS [初]
播磨かな[2]
ばんばんざい[初]

www.youtube.com

THE BEAT GARDEN[初]
ファーストサマーウイカ[3]
FANTASTICS from EXILE TRIBE[初]
ヘラヘラ三銃士[初]

www.youtube.com

B.O.L.T(内藤るな[2]
松崎しげる[5]
松本明子[6]
ミュージカル『刀剣乱舞』刀剣男士(豊前江/桑名江/松井江/五月雨江/村雲江/水心子正秀)[初]
鈴木愛理[6]
山本譲二[初]

※一部出演者はVTRでの出演となります

*1:ゆび祭りの会場は今回と同じ日本武道館であった。

山崎広太 新作ダンス「机の一尺下から陰がしのび寄ること」@BankART Station

山崎広太 新作ダンス「机の一尺下から陰がしのび寄ること」@BankART Station

暗黒をすり抜ける、いつでもやってくる山崎!
暗黒の身体を思うと、沼地のような身体、傀儡、エイリアンのスライム状の身体、見捨てられた身体、老いていく存在、辺境に追いやられがちな身体のイメージ。そこに日本の芸能の原点を見るようにも思う。現在の伝統芸能の型に至る寸前の芸能的身体の状態と取りとめない暗黒の身体の関係は、幻想を呼び起こし、非常にスリリリングだと感じるのである。しかし室伏さんは暗黒と芸能は結びつかないと言っていた。僕の場合、例えば夜の帷から、または芸者たちがいる花街から、背後に忍び寄る暗黒というイメージは立体的な深淵性と一瞬の刹那性、そして身体から拡がる多方向への空間のディメンションを感じさせる。初めてアスベスト館を訪ねた時、股引姿の土方さんが猫背で稽古場を通り過ぎる姿態と帰りがけの目黒不動尊の夜の帷を見て、これが暗黒舞踏なのかなと感じたものだった。僕にとってのダンスにおいて必要不可欠と言わざるを得ない身体の暗黒をすり抜けた先には何があるのだろう?その先にあるものを問うことが、次世代アーティストに渡す鍵となればうれしい。美術はずっと舞踏に長年貢献されてきた山村俊雄さんに手掛けて頂きました。

山崎広太

振付
山崎広太
ダンス
穴山香菜、岩渕貞太、小暮香帆、鶴家一仁、西村未奈、宮脇有紀、山野邉明香、山崎広太
音楽
大谷能生、永井健太
美術
山村俊雄
※本作はデュオ作品『幽霊、他の、あるいは、あなた』(フロリダ州立大学国立振付センターにて制作。
21年DaBYトライアウト、22年ジェイコブスピローにて発表)を含む。
日時
2022年12月
28日(水)19:30開演
29日(木)19:30開演
30日(金)15:00開演

会場
BankART Station
横浜市西区みなとみらい5-1
みなとみらい線「新高島」駅直結B1階

チケット
全席自由/当日精算(現金のみ)
一般4.000円
学生3.000円(要証明)
問合せ:yamazakikota2022@gmail.com
※受付開始は開演60分前。会場でお待ちになれます。

メインモチーフは表題の通りに「LOVE」高城れに結婚後初めての「仏桑花」に感動「ももいろクリスマス2022 LOVE」DAY2@さいたまスーパーアリーナ

「ももいろクリスマス2022 LOVE」@さいたまスーパーアリーナ


今年は夏のライブ「ももFES」でもバンド(ダウンタウンももクロバンド、DMB)が入ったが、音楽のクオリティーにこだわったさいたまスーパーアリーナの「ももいろクリスマス2022」はやはりひと味もふた味も違うと感じさせるものであった。
 今回のライブのメインモチーフは表題の通りに「LOVE」(愛)。他のアイドルグループと比較すると恋愛をモチーフにした楽曲は圧倒的に少ないももクロだが、対象を「愛」に広げると関連する楽曲は一気に増える。「愛」そのものを主題にした「愛を継ぐもの」、気志團曲のカバーからももクロには珍しい恋愛とクリスマスを主題にした「SECRET LOVE STORY」と続き、セーラームーン曲の「MOON PRIDE」はなぜここにと一瞬思ったのだが、この歌も歌詞の一部に「悲しみの波に揺られ 怒りの焔(ひ)に灼かれても 稲妻のように眩く 永遠(とわ)のを誓う」と「愛」の文字が入っているので、次に歌った「stay gold」も入ってるのだろうと調べてみたがこれにはなかった。
 そして5曲目にはいよいよあーりん(佐々木彩夏)のこういう歌が歌いたかったが歌うまでに15年がかかったとの前口上きっかけに満を持したかのように新曲「Majoram Therapie」が披露されたが、ももクロにはありがちではあるものの初披露が音源ではなく、ダウンタウンももクロバンドによる生演奏アレンジ。作詞:只野菜摘 / 作曲・編曲:invisible manners(平山大介・福山整)の黄金コンビによる楽曲なのだが、MVは可愛いのに生でのパフォーマンスとなるとこれが本当にカッコよく、こういうのがももクロだよなと改めて再認識した。
 ライブ全体を通しての白眉と言ってもいいのが新演出による「レディ・メイ」。もともとタキシード衣装を着てのスタンドマイクというショーを連想させる衣装・振り付けではあったけれども、今回は「Rock the Boat」を彷彿とさせるような椅子を使った大人ももクロを強調した演出だった。ANNA先生だと思うが振り付けが秀逸。
 高城れにの結婚後初めて歌った「仏桑花」もよかった。楽曲を提供したさだまさしが見たら号泣したんじゃないか。私もかなりぐっとくるものがあったが、泣くんじゃないかと双眼鏡で凝視した高城れにがいっさい泣くことなくしっかりと歌っていたのにも逆にほろっとさせられたのである。
 夏バカにはあえて入れなかったと思われる「手紙」がここに入ってきたのも「そうだそうだ」と思いながら聴いた。
アンコールの3曲はいずれも「これぞももクリ」という出来栄え。
本編中に松崎しげるがひさびさに登場、告知のための「愛のメモリー」(替え歌)を歌いだした時には「これはもしや」と新国立競技場のライブ告知を期待したが、15周年ツアーはセルフプロデュースでという何もこれでわざわざという内容で肩透かしを食らわせられたが、もう一度考えてみたら「『愛』のメモリー」だったからか。まあ、そうなんだろうな。結果的にはれにちゃんへの結婚祝いの言葉もかけてもらえたしよかったのではないか。

<ももいろクリスマス2022 LOVE>
2022年12月25日(日)
さいたまスーパーアリーナ

01. 愛を継ぐもの
02. SECRET LOVE STORY
03. MOON PRIDE
04. stay gold
05. Majoram Therapie
06. 真冬のサンサンサマータイム
07. 白金の夜明け
08. 境界のペンデュラム
09. JUMP!!!!
10. 手紙 
11. サンタさん -ZZ ver.-
12. ザ・ゴールデン・ヒストリー
13. 行くぜっ!怪盗少女 -ZZ ver.-
14. 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
15. レディ・メイ
16. L.O.V.E(※新曲)
17. ミライボウル
18. 仏桑花
19. 一粒の笑顔で…

[アンコール]
20. 空のカーテン
21. 今宵、ライブの下で
22. 白い風

『本日のDMB』
Dr Mike Marrington
Bs 吉田一郎
Gt 佐藤大
Gt ホワイトマン
Percussion 若森さちこ
Cho加藤いづみ
Cho ma⭐︎rron
Sax 竹上良成
Tp 小澤篤士
Tb 鹿討奏

真部裕st
1stVn徳永友美
2ndvn石橋尚子
Vl 二木美里
Vc村中俊之

key&bandmaster 宗本康兵

DAY1 2022年12月24日(土)
DAY2 2022年12月25日(日)
両日共通:15:30開場 / 17:00開演 / (19:30終演予定)
会場:埼玉県・さいたまスーパーアリーナ

ももいろクローバーZ 2023年リリース予定
【4月】
・デジタルアルバム『ZZ’s Ⅲ』
・デジタルシングル
【7月】
・デジタルシングル
【8月】
Blu-ray & DVD『ももいろクリスマス2022 LOVE』
【9月】
・デジタルシングル
・『ももいろクローバーZ MUSIC VIDEO CLIPS Ⅱ』-ANGEL EYES限定-

ももいろクローバーZ 15周年ツアー>
7月16日(日) 兵庫県 神戸国際会館こくさいホール
7月17日(月) 愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
8月5日(土)、6日(日) 東京都 武蔵野の森総合スポーツプラザ
9月9日(土) 福岡県 北九州ソレイユホール
9月10日(日) 広島県 福山リーデンローズ
9月14日(木)、15日(金) 大阪府 グランキューブ大阪メインホール
9月18日(月・祝) 宮城県 名取市文化会館 大ホール
9月23日(土) 新潟県 新潟テルサ
10月14日(土)、15日(日) 東京都 武蔵野の森総合スポーツプラザ

高城れにソロコンサート<まるごとれにちゃん2023>
2023年3月9日(木)・神奈川県 KT Zepp Yokohama

高城れにソロライブ<30祭(仮)>
2023年6月25日(日)・神奈川県 ぴあアリーナ MM

<AYAKA NATION 2023 in Yokohama Arena>
2023年5月21日(日)・神奈川県 横浜アリーナ

ダンス×バンドのセッションによる 稀に見る傑作ダンス作品 lal banshees『幽憬』(振付・演出横山彰乃)@ シアタートラム

lal banshees『幽憬』(振付・演出横山彰乃)@ シアタートラム


ダンサー・振付家の横山彰乃の活動には主としてソロで行ってきた音楽系のアーティストとの即興要素の強いセッションと自ら率いるダンスカンパニー「lal banshees」の巧緻に構築された群舞作品があったが、今回のlal banshees『幽憬』はこれまでのそうした活動をすべて融合させた。これまでの活動からは1ランクも2ランクもレベルの高い傑作といっていいと思う。
作品の冒頭で舞台の上手下手の両サイドに黒い台があり、下手側の台上にバンドのSuiseiNoboAzが陣取り、演奏をスタートするとそれに呼応するように上手の台からダンサーが降りてきて、音に合わせるように踊り始める。前半部はSuiseiNoboAzの生み出すインストメンタルの演奏に横山彰乃がこれまでつちかってきた様々の動きの群舞を音ハメ的に連動させていく、個々の動きの強度はあるものの単純にソリッドでスタイリッシュな作品と思われていたのが、SuiseiNoboAzの演奏がライブバンドとしての激しさを増していく後半は音楽の高揚にシンクロするようにダンサーの動きも加速し震えオーバードライブしていく。ここ数年間に見た中では文句なしにトップ級のダンス作品といえる。
 不明なことに今回初めてその存在を叱咤のだが、まずSuiseiNoboAzというバンドが素晴らしい。このバンドに声を掛けて一緒に作品を作ることにした横山彰乃の慧眼は大いに評価すべきだと思う。これまでも音楽家とのセッションが多かった横山だが、おそらくこれだけ本格的なバンドとの共演は初めてなのではないかと思い動画サイトでこのバンドについて調べてみると彼らの最新アルバム「GHOST IN THE MACHINE DRUM」のリード曲である同名曲のMVで横山が踊っており、これがどのような事情で実現したのかは分からないが、ここでの出会いから今回の舞台が始まったのだとすればそれはアルタード・ステーツの内橋和久と維新派の松本雄吉の出会いによるヂャンヂャンオペラの誕生に比することが出来るかもしれない出会いと言えるのかもしれない。

www.youtube.com

【日程】 2022/12/22(木) ~ 2022/12/25(日)
【会場】 シアタートラム
【振付・演出】横山彰乃
【音楽・出演】SuiseiNoboAz
【出演】中川賢 小山まさし 中川絢音 斎木穂乃香 中條玲 coyote 横山彰乃


www.youtube.com


www.youtube.com

喜界島のサンゴ礁について 学際的研究の一環としての演劇上演 喜界島サンゴ礁研究所「ユラウ」@こまばアゴラ劇場

喜界島サンゴ礁研究所「ユラウ」@こまばアゴラ劇場


平田オリザはかつて石黒浩研究室(大阪大学)と一緒のロボット演劇についての共同プロジェクトを手掛けた事例があったが、「ユラウ」は鹿児島県の喜界島とそこでサンゴ礁研究により、地球規模での気候変動解析と未来予測に取り組んでいる喜界島サンゴ礁研究所との共同プロジェクトの一環として手掛けられた演劇作品である。

作:宮崎玲奈 演出:山下恵実
喜界島サンゴ礁科学研究所と青年団による共同プロジェクト。
2021年より平田オリザ監修のもとプロジェクトが始動。青年団所属の劇作家・宮崎玲奈と演出家・山下恵実が、喜界島喜界島科学研究所のもつ研究データ、喜界島でのフィールドワークの結果をもとに制作した演劇作品「ユラウ」を上演します。

ガジュマルの木の下で、何かを待っている人が一人。
行ってほしくない人、行ってしまう人、忘れる人、忘れたくない人。
待っている人は、今いる場所の話をはじめるが、それは今の話かどうか、定かではない。
こことは一体どこで、わたしたちはどこへ向かっていくのか。

喜界島サンゴ礁科学研究所
喜界島サンゴ礁科学研究所は、世界でも稀少な隆起サンゴ礁で形成された喜界島にある日本で唯一のサンゴ礁研究に特化した研究所です。「100年後に残す」を理念とし、国際的なサンゴ礁研究拠点として、地球規模での気候変動解析と未来予測のために必須である一次記録を次世代に残すための事業を展開しています。また将来の人と地球環境の持続可能な発展を目指し、次世代のグローバルリーダーの育成と、サンゴ礁と社会を結ぶプラットフォームとしての役割を担い活動しています。

共同プロジェクト
2021年9月より青年団との共同プロジェクトを始動。
2022年8月に研究者や演出家、建築家など多様な専門家が喜界島で合同フィールドワークを実施し、島民への聞き取り調査を基に、各分野の視点から島の学術的、文化的価値について議論を重ねました。青年団所属の劇作家・宮崎玲奈、演出家・山下恵実と共にフィールドワークの結果を基に制作した新しい演劇を上演し、観劇者と研究者、様々なステークホルダーと共に未来に向けて対話する場を創造します。


喜界島サンゴ礁科学研究所、2022年『ユラウ』喜界島公演

出演
出演:根本江理 南波 圭 林 ちゑ 伊藤 拓(以上、青年団
解説:渡邊 剛(北海道大学

スタッフ
空間設計:渡辺瑞帆(青年団
照明:中山奈美
音響デザイン:SKANK/スカンク(Nibroll
舞台監督:鐘築 隼
制作:半澤裕彦(青年団
監修:平田オリザ 

AVEX対スタダ対抗戦 AMEFURASSHIとTEAMSHACHI、ライブ強者ぶり見せつける W FES vol.1 "W-ith"@KT Zepp Yokohama

W FES vol.1 "W-ith"@KT Zepp Yokohama


welcome actのONE LOVE ONE HEART*1を除けば4グループによる対バンフェスであるが、持ち時間が1グループ45分とかなりたっぷりあり、AMEFURASSHIは11曲、TEAMSHACHIも10曲とほぼワンマンに近いような満足感を抱かせるライブフェスだった。
参加メンバーはスタダとAVEXの共同プロジェクトであるONE LOVE ONE HEARTからスタート。AVEXからlolとFAKY、スタダ(スタプラ)からAMEFURASSHIとTEAMSHACHIといずれもダンス、歌唱ともにレベルが高いダンス&ボーカルグループが2組づつ参加する座組であたかもスタダ対AVEXの対抗戦のような様相を見せた。
ONE LOVE ONE HEARTはかなり前にスタダとAVEXの共同プロジェクトで新たな男女混成グループが発足するというニュースはネットで見ていて、大々的な展開があるのかと思っていたが、その後メディアでの展開などもあまりなかったこともあり、忘れかけていたが初めてその姿を生ライブで見ることができた。スタダでも以前男女グループ「DAN⇔JO」を手掛けたが、結局継続できずに解散。現在はエビ中にいる桜木心菜が唯一生き残っている状態だ。
 ONE LOVE ONE HEARTはスタダにとってはAAAなどを通じて男女グループの経験があるAVEXと組むことでのそのリベンジを狙っているのかなというのが、ライブを見た印象だ。ダンス、歌ともに実力はあるというのは感じたが、MVなどはともかく生で聴くとまだまだだなと思わせる点も多かった。ユニゾンで音響的にノイズ的に歌声が潰れてしまうようなところが多くて、最初PAとか機材の問題かなとも思ったのだが、AMEFURASSHI、lolなど後続のグループではそういうことは感じなかったため、ソロがあまりない歌割りも含め、ライブ活動を主体に置くグループとしての方向性はまだ現代進行形かなと思ったのである。
 本編のスタートを切ったのはAMEFURASSHIがいきなりの新曲、しかもまだ音源も発表されていない「FLY OUT」からライブは始まった。AMEFURASSHIのパフォーマンスの特徴は歌やダンスがただうまいというレベルにとどまらず、
曲ごとにダンスと歌唱の質感も細かく演出され、巧緻に組み立てられているという完成度の高さである。私の個人的な評価ではあるが、K-POPのグループと比べてもスキルにおいて遜色がないどころか、上回っているところも多い。人数がある程度以上多いグループだとユニゾンや対位法的な振付で踊ることが多いため、ダンスがそろっていることがうまいと勘違いしている人が多いが、ももクロのダンスについても昔論じたが、AMEFURASSHIの場合は4人が個別に別の振付を踊りながら、全体としては調和がとれた動きとして振付されているのが特徴だ。この日も披露されたが、もうひとつの新曲で最近MVも披露された「Love is love」の振付などを見るとそういうことがよく分かるはずだ。

www.youtube.com

www.youtube.com



AMEFURASSHIセトリ
M1 Fly Out
M2 DROP DROP
M3 MICHI
M4 グラデーション
M5 Love is love
M6 Drama
M7 SENSITIVE
M8 Lucky Number
M9 メタモルフォーズ
M10 DISCO-TRAIN
M11 UNDER THE RAIN

TEAM SHACHI
W FES vol.1 "W-ith"
KT Zepp Yokohama

SE
M1 HORIZON
M2 BURNING FESTIVAL
MC 自己紹介
M3 東海コンプライアンス
M4 Rocket Queen feat. MCU
M5 いいくらし
MC
M6 江戸女
MC
M7 舞頂破
M8 こだま
M9 抱きしめてアンセム
M10 START
MC 告知

<W FES(ダブルフェス)とは>
Wonline,Wmagazine,Wchannnelなど、複合的なメディアを展開する「W」が提案するイベント。「W」のメディアに出演する多様なアーティストがステージを彩ります。

<W FES vol.1 "W-ith"コンセプト>
「W-ith」(読みは”ウィズ”)
様々な分野で既存のジャンルや枠組みを取り払い、クロスオーヴァーしていく局面に突入した現代。異なるヒストリー、バックグラウンドを持つ者たちの壁を壊していくパワーが、撹拌され新しい価値観・文化の創造が日々様々な場所でおこなわれています。
「W-ith」は異文化交流から生まれるそうした新しい価値観を、ライブの現場から生み出していくことを目的として開催します。テーマに沿って集められた、現代を先導する表現者たちが「この日この場所」でしか体験できないエクスペリエンスを提供します。

<日時・会場>
日時:2022年12月18日(日)open16:15/start17:00
会場:KT Zepp Yokohama

<出演>
AMEFURASSHI
FAKY
lol
TEAM SHACHI
ONE LOVE ONE HEART ※welcome act

高橋萌登 MWMW/モウィモウィ『MWMWは死なない vol.2』@MURASAKI PENGUIN PROJECT TOTSUKA

高橋萌登 MWMW/モウィモウィ『MWMWは死なない vol.2』@MURASAKI PENGUIN PROJECT TOTSUKA


〈出演〉

  • Von・noズ -(16日、18日のみ出演)

構成・演出・振付・出演:上村有紀 久保佳絵

  • Murasaki Penguin -

振付・ダンス:黒田杏菜
音楽・照明:カークパトリックデイビット
衣装:MANU FABER by ENO (Takeshi Nakamoto)

  • MWMW -

振付・演出・音楽:高橋萌
出演:大江麻美子 金森温代 鈴木梨音 中谷友紀 高橋萌
www.youtube.com



  • 阿部理子 -(17日のみ出演)

構成・振付・出演:阿部理子



音響・照明オペレーション:カークパトリックデイビット
アディショナルサポート:MPP Totsuka Staff
制作:モルタナティブワーク
協力:MPP OCEANグループ 大洋建設 城崎国際アートセンター(豊岡市
主催:mtp

神奈川県マグカル展開促進補助金対象事業

2022.12.16(fri)-18(sun)
@ MURASAKI PENGUIN PROJECT TOTSUKA

MWMW主体のオムニバス企画の第二弾を横浜市戸塚に新しくオープンしたパフォーミングアーツ&マルチメディアアートの空間で開催します!

詳細→ https://mwmw-never-dies.jimdosite.com