第65回岸田國士戯曲賞最終候補作品が決定
今年の岸田國士戯曲賞最終候補作品が決定した。以下が最終候補の8作品。
岩崎う大『君とならどんな夕暮れも怖くない』
長田育恵『ゲルニカ』
小田尚稔『罪と愛』*1
金山寿甲『A-②活動の継続・再開のための公演』
小御門優一郎『それでも笑えれば』
内藤裕子『光射ス森』
根本宗子『もっとも大いなる愛へ』*2
横山拓也『The last night recipe』
実際に公演を見ているのは根本宗子『もっとも大いなる愛へ』、小田尚稔『罪と愛』の2本だけなので受賞者の予想は難しいが、この2つについてはいずれも私が2020年演劇ベストアクト*3に選んだ秀作でもあり、候補にノミネートされたことは喜ばしいと思っている。上記の2人は若手作家として才能を感じる2人でもあり、もし受賞すれば大きな飛躍のきっかけとなりそうなので、そういう意味では今年はこの2人の応援モードで臨みたい。個人的には根本宗子作品は本多劇場で無観客配信のみで上演された作品でもあり、「戯曲賞であるのでそういうことは関係ない」という意見も出てこようが、今年を象徴する作品という意味合いもあるのではないかとも思う。
昨年のノミネート時点でのブログ*4ではいきなり「焦点はすでに鶴屋南北戯曲賞を受賞している谷賢一のダブル受賞がなるかどうかだが」とはったりをかまし、「同時受賞の可能性があるとすればこのところ毎年のように受賞が期待されている女性作家。市原佐都子あたりが有力か」などとも書き、予想はほぼ的中したが、今年はほとんどの作品を見てはいないうえに有力作品として挙げた2作品もそれぞれ谷賢一の「福島三部作」ほど突出しているとは思わないので、予想は難しいかもしれない。
昨年のブログに「なぜノミネートされなかったのか」と書いた横山拓也が今年は入っていて、この作品は見てはいないが、実力があることは折り紙付きなので、満を持しての受賞もあるかもしれない。候補者常連となりつつある長田育恵ももうそろそろ受賞しても良いころかもしれない。*5
選考会は3月12日17:00から、東京・學士會館で行われる。選考委員は岩松了、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田秀樹、平田オリザ、矢内原美邦、柳美里の7人。
*1:simokitazawa.hatenablog.com
*2:simokitazawa.hatenablog.com
*3:simokitazawa.hatenablog.com
*4:simokitazawa.hatenablog.com
*5:ただ、これらの作品は観劇できてないので、これ以上の予想は難しい。