下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

スタプラのあーりん軍団が覇を競う。佐々木彩夏ソロコンサート「AYAKA NATION 2021 in Yokohama Arena」@神奈川県・横浜アリーナ (ニコニコ生放送アーカイブ配信)

佐々木彩夏ソロコンサート「AYAKA NATION 2021 in Yokohama Arena」@神奈川県・横浜アリーナ (ニコニコ生放送アーカイブ配信)

live.nicovideo.jp

今回は横浜アリーナ佐々木彩夏ソロコンの現場に出掛けることができた。そのうえで席のことや会場のモニターの映像についての不満を述べたら会場に来ることができなかったモノノフの顰蹙を買ったのだが、主としての不満は会場のモニターがあーりんのアップの画像だけを映し出し、一緒に出演していた後輩のアイドルたちはすべて映像画面では見切れてしまって誰が誰かも分からず、佐々木彩夏演出の重要な部分をしめる後輩アイドル(あーりん軍団)の群舞も交えたトータルでの場面演出を味わうことができなかったからだ。
本番2日後の「反省会」配信ではあーりん自らがそれぞれの楽曲の演出のかんどころを語ったが、各ブロック1曲だけを投票で選んで公開したため実際に映像をこの目で見て確かめたかった部分の多くを見ることはできず、それできょう公開になったアーカイブが一層楽しみになっていたのである。
そして、ついにアーカイブ配信で見たのだが、トータルでの満足度がダントツに凄い。ダンサー役の後輩アイドル(アメフラっシ、B.O.L.T.、CROWN POP)による高レベルのダンスアンサンブルにはミュージカルレビューのような楽しさを感じた。生の会場も楽しかったが、今回の「AYAKA NATION 2021 in Yokohama Arena」についてはトータルの演出が分かる映像を見て初めて佐々木彩夏演出の本当の凄さが見えてきた。
アメフラっシ、B.O.L.T.が参加してロックミュージカルのような盛り上がりを見せた前半のブロックが素晴らしい。「SPECIALIZER」は今期の石川柊太投手の登場曲。これはちょうど浪江女子発組合のメンバーで行ったが、優雅なJA浪江とは対極的な激しいダンスを伴うパフォーマンス。特にアメフラっシは楽曲自体ロック系やダンスミュージック系で複雑なダンスをともなうことも多いため、こういう群舞は得意ではあるが、振付らしい振付のないB.O.L.T.もここまで踊れるんだというのには驚かされた。
続く、「境界のペンデュラム」であーりんと一緒に踊った鈴木萌花内藤るなもいつものパフォーマンスと比べると別人のようなセクシーさも垣間見せる大人のダンスを披露した。
多彩なダンスを駆使しCROWN POPのメンバーと一緒に本格的なミュージカルのようなシーンを創作したのが後半ブロック。新曲の「A-rin Kingdom」などANNA先生の振付もクラポメンバーのダンサーとしてのポテンシャルの高さは驚くべき水準で、スターダストプラネットの未来を拓く新たな可能性を感じた。
ジャニーズ事務所は先輩が演出、それに後輩のアイドルがダンスや歌で参加するミュージカルショーをいくつか続けている*1が、今回は佐々木彩夏のソロコンサートという縛りがあったので、歌ったのはあーりんだけだったが、当然後輩のアイドルも歌は歌えるわけだから、将来はソロコンにとどまらずスターダストプラネットプロデュースのショーを佐々木彩夏の総合演出でできるのではないか。そんな可能性を感じた今回のソロコンであった*2

佐々木彩夏ソロコンサート『AYAKA NATION 2021 in Yokohama Arena』
2021年6月27日(日)
<セットリスト>
あーりんちゅあ
1.Grenade(ザクロ)Teddy Loyd
2.Early SUMMER!!! ◎
3.Sweet Wanderer
4.空で虹でも星でもない
5.SPECIALIZER
6.境界のペンデュラム ◎
7.サラバ、愛しき悲しみたちよ
8.Bunny Gone Bad
9.月色Chainon ◎
10.桃色空(ルビ:ピンクゾラ)
11.Memories, Stories
12.My Cherry Pie(小粋なチェリーパイ)
13.My Hamburger Boy(浮気なハンバーガーボーイ)
14.Girls Meeting
15.A-rin Kingdom ◎
<ENCORE>
16.あーりんは反抗期!
17.仕事しろ
18.ハッピー♡スイート♡バースデー!◎
19.あーりんはあーりん♡
20.だって あーりんなんだもーん☆

simokitazawa.hatenablog.com

*1:KinKi Kids堂本光一が主演を務めるミュージカル作品シリーズ『SHOCK』(ショック)が有名。2000年11月、『MILLENNIUM SHOCK』というタイトルで帝国劇場にて初演。以後同劇場で毎年公演が行われ、2005年からは『Endless SHOCK』として名前と内容を一新し、2012年以降は博多座、2013年以降は梅田芸術劇場でも上演されている。

*2:その前にどこかの段階で佐々木彩夏が演出を務めるももクロライブの実現が期待される。その場合、ダンスアンサンブルや出演者として後輩のアイドルを起用することもありではないか。佐々木彩夏演出のアメフラっシ、B.O.L.T.、CROWN POPの合同公演も見たいという気にさせられた。