下北沢通信

中西理の下北沢通信

現代演劇やコンテンポラリーダンス、アイドル、ミステリなど様々な文化的事象を批評するサイト。ブログの読者募集中。上記についての原稿執筆引き受けます。転載依頼も大歓迎。simokita123@gmail.comに連絡お願いします。

5月のお薦め芝居(2022年)by中西理(改稿掲載)

5月のお薦め芝居(2022年)by中西理(改稿掲載)


(復刻版、えんげきのぺーじでおなじみの「お薦め芝居」を復刻)*1

 「お薦め芝居」はコロナ禍で公演中止が相次いだ2020年3月以来、中断していたが再開することにした。毎月月末ごろまでに次の月のものを掲載する予定*2





くじら企画『サラサーテの盤』★★★★(5月21~22日、座・高円寺1)は死後その評価が高まっている大竹野正典の作品をゆかりの劇団が上演。大竹野作品の柱といえば過去の実際の事件に材をとった「事件もの」だが、もうひとつの柱は文学作品に材をとった作品群。「サラサーテの盤」は内田百閒の同名作品など複数の作品に材をとって、一種の幻想世界を描き出した異色作品だ。
 「サラサーテの盤」といえば鈴木清順の映画「ツィゴイネルワイゼン」の原作であることがあまりにも有名。映画好きの大竹野は映画にオマージュした作品も多いが、実はこの「サラサーテの盤」は映画を見る前に構想されたもので、映画とは無関係という。映画を知る人はそのことを念頭に置いて、比べてみるのも一興かもしれない。





左から山田百次、成田沙織、井上みなみ。
ホエイ『ふすまとぐち』★★★★(5月27日~6月5日、こまばアゴラ劇場)が5月のイチ押しであることは間違いないであろう。山田百次が野の上で上演した方言演劇を満を持してホエイで再演。元渡辺源四郎商店の三上晴佳、青年団の井上みなみ。ホエイの常連の成田沙織らが終結。どんなアクの強い舞台が出来上がるのか!!。期待したい。

姑キヨの強烈な嫁いびりにより、とある場所に引きこもって暮らしていた桜子。
出戻りの義理の妹、幸子には心許せると思い、ようやくそこから出てきたが、事態はエスカレートしあらぬ方向へと突き進む……。
嫁、姑、小姑、さまざまな業がうずまく津軽弁エンターテイメント!!
劇団野の上(作・演出:山田百次)で2010年初演、2012年に全国ツアー(青森・札幌・大阪・三重・東京)を敢行した人気作。
2021年12月の豊岡公演を経て、いよいよ東京へ!

出演
山田百次(ホエイ|劇団野の上) 赤刎千久子(ホエイ)
井上みなみ(青年団) 中田麦平(シンクロ少女) 成田沙織 三上晴佳 森谷ふみ(ニッポンの河川)

スタッフ
舞台美術:鈴木健
照明:黒太剛亮(黒猿)
照明操作:間瀬森平
舞台監督:鐘築 隼
舞台監督補:三津田なつみ
衣裳:正金 彩
制作:赤刎千久子
当日運営:飯塚なな子
プロデュース・宣伝美術:河村竜也






 5月もっとも注目すべき公演は渡辺源四郎商店『親の顔が見たい』★★★★(5月2日~5月6日、下北沢ザ・スズナリ)であろう。学校でのいじめ問題を描いた畑澤聖悟の代表作を今回はコロナ感染対策を考慮して交友関係の深い青年団の俳優を中心に東京(首都圏)の俳優らで上演する。この公演は実は昨年同時期に予定されていたのが、コロナ禍により中止になり、無観客配信のみ行ったのを今回ほぼ同じキャストでリベンジ上演することになった。チケットはすでに前売り完売しているが、若干枚の当日券が発売される予定。
simokitazawa.hatenablog.com

 工藤千夏作演出による渡辺源四郎商店『コーラないんですけど』★★★(5月8日~5月10日、下北沢ザ・スズナリ)も引き続き上演される。こちらも同劇団所属の劇作家・演出家の代表作の再演で、同じく首都圏在住の俳優ら(こちらは花組芝居の3人)により上演される。





五反田団『愛に関するいくつかの断片 』★★★★(4月25日~5月5日、アトリエヘリコプター)も前田司郎作・演出の2年前にコロナ禍で中止になり、そのままになっていた作品を2年越しで上演するということで見逃せない。「よく分からないけれど、みんながあると思っているような愛について書かれています」と作品のフライヤーで前田司郎が語っているが、これまで前田作品に慣れ親しんできた観客にとっては「何か眉唾だな」としか思えないのだった。いずれにせよ見逃せない舞台である。



 
ひとごと。こどもとつくる舞台vol.2「はなれながら、そだってく。」★★青年団の山下恵実が主宰する「ひとごと。」が、子供たちの発想により作られた物語や絵を、ダンスや歌や芝居にして上演する企画“こどもとつくる舞台”の第2弾だ。演出を山下が担当し、出演者には小野彩加、川隅奈保子、中條玲、藤瀬のりこ、古屋隆太、松田弘子が名を連ねている。この枠組みの作品を見るのは初めてだが単なる子供向けの舞台ではない。キャストにはスペースノットブランクの小野彩加や松田弘子、川隅奈保子、古屋隆太ら通常ならば青年団の本公演でメインキャストを演じるような俳優陣が揃っており内容にもかなりの期待ができそうだ。

2022年4月28日(木)~5月8日(日)
東京都 こまばアゴラ劇場

演出:山下恵実
テキスト:こどもたち
出演:小野彩加、川隅奈保子、中條玲、藤瀬のりこ、古屋隆太、松田弘




 
 お薦め芝居。とりあえずブログ「下北沢通信」で展開中だが、もし掲載可能なメディアがあればぜひ載せてほしいので、連絡をお願いしたい。
 演劇・ダンスについても書いてほしいという媒体(雑誌、ネットマガジンなど)も鋭意募集中。相談はメール(simokita123@gmail.com)でお願い。ブログに書いたレビューなどを情報宣伝につかいたいという劇団があればそれも大歓迎。メール下さい。パンフの文章の依頼などもスケジュールが合えば引き受けます。新規劇団発掘にも力を入れています。招待メールなどいただければ積極的に観劇検討します。

 大劇場中心のお薦め芝居紹介サイト*3発見したが、全然重ならない。見落としがないようにチェックしたいのだが、どこか適当なサイトがないかしら。関田育子の公演見逃してしまった。





中西


*1:simokitazawa.hatenablog.com

*2:最近チケット代にかけられるお金があまりなくて、妻からの締め付けも強いので、招待状をいただける劇団があると本当に嬉しい。

*3:www.fashion-press.net